スマホでも商品の魅力を惹きだせる写真撮影は可能です。
「ECサイトに掲載する商品写真の訴求力を高めたい」
「フリマアプリでの売り上げをもっと増やしたい」
上記の悩みをお持ちの方は、本格的な撮影機材がないからといって、あきらめる必要はありません。
本記事では、スマホでの商品写真の撮り方や、スマホカメラの機能・注意点を紹介します。
スマホでもできる商品写真の撮り方
まずは、スマホでもできる商品写真の基本的な撮り方を紹介します。
・自然光を活用する
・光が強すぎる場合は、拡散シートで光を和らげる
・背景は基本的に白にする
・様々なアングルから撮影する
商品写真を撮影するときの重要なポイント
実は、そのようなことはありません。商品写真をうまく撮れない原因は、コツを知らないからです。
そこで、素敵な商品写真を撮るための4つのポイントを紹介します。
- ・実物に近い色合いにする
- ・サイズ感が伝わるようにする
- ・デザインが伝わるようにする
- ・サイド光を活用する
これらは、スマホでの撮影でも活用できますので、ぜひ参考にしてください。
以下より、4つのポイントについて、詳しく解説します。
実物に近い色合いにする
ホワイトバランス調整とは、撮影時の環境に合わせて適切な色温度に調節することを指します。
スマホで撮影に失敗する原因の1つに、このホワイトバランス調整に「オート調整機能」を利用することがあげられます。「オート調整機能」は、光量・背景などの環境によって調整に失敗することがあるためです。
そのため、青みが強くなったり、赤みが強くなったりと、写真と実物の色に違いがでてしまいます。
ECサイトであれば、商品画像と実物の色に違いがある場合、「思っていた商品と違う」「こんなはずではなかった」など顧客の満足度は低下するでしょう。
場合によっては、クレームや返品といったトラブルに発展することもあります。そのような事態を避けるために、写真の色は実物にできる限り近づける必要があります。
サイズ感が伝わるようにする
商品画像のみでは、商品の大きさを把握しにくいためです。商品に興味を持ってもらうためにも、顧客に「思っていた大きさと違う」という誤解を生まないためにも、パッと見て大きさが把握できるように撮影しましょう。
そこで、サイズ感が伝わりやすい4つの撮影方法を紹介します。
・利用シーン
・対比できるものと一緒に撮影
・手のひらに載せて撮影
・子どもと一緒に撮影
デザインが伝わるようにする
商品のデザインがどれだけ特徴的であっても、商品説明文だけで、その魅力を表現するのは困難なためです。
そこで、デザインが伝わりやすい、撮り方の2つのポイントを紹介します。
・細部をアップにして撮影する
・ピントを合わせる
サイド光を活用する
撮影時の光の当て方は、主に順光・サイド光・逆光の3つに分類されます。
・順光
・サイド光
・逆光
3つのなかで、商品写真にはサイド光が向いています。
サイド光は、商品の色・形がはっきりとわかりやすく、立体感のある写真が撮影できるためです。サイド光であれば、スマホでも簡単にメリハリのある商品画像を撮影できるでしょう。
サイド光のデメリットは、側面の影が強くなることです。そのような場合の対策は、光源と反対側に白レフ板を置きましょう。また、白レフ板は、模造紙などの白い紙でも代用できます。
知っていると便利なスマホ機能
スマホでカメラアプリを立ち上げて、そのままの状態で撮影していませんか。
もちろん、スマホのオート調整機能は進化しているため、普段使いであればそれでも十分きれいな写真が撮れることでしょう。
しかし、プロ品質に近づけるためには、スマホカメラの機能を理解し、機能を使い分ける必要があります。そのためにも、知っていると便利な機能は以下の3つです。
- ・HDR機能
- ・フィルター機能
- ・グリッドライン機能
それぞれの機能とおすすめの設定を解説します。
HDR機能
HDR機能の欠点は、「3枚の写真を撮影するためブレやすい」「色味が変わりやすい」「のっぺりとした印象になる」です。
そのため、スマホで商品を撮影する際には、HDR機能はオフにしてください。マニュアルでホワイトバランス調整を行う方が、より商品の色に近づけられるためです。
ちなみに、HDR機能を利用した方が良いときは、「光量が多すぎる」「光量が少なすぎる」場合です。白飛びや黒つぶれを抑制して程よい光加減に調整してくれます。
また、スマホによっては、HDR機能で撮影しても合成前後の写真どちらも保存してくれる場合があります。そのような機種であれば、HDR機能をオンにして、合成前後の写真から選択する方法も良いでしょう。
フィルター機能
例えば、「セピア」「モノクロ」「淡い青」などに色調を変更するフィルター機能があります。
スマホで商品を撮影する際には、フィルター機能をオフにしましょう。
フィルター機能をオンにして撮影すると、色味が異なりやすく、後から写真を加工することも難しくなるためです。色味が異なっている商品写真を掲載しては、「思っていた色と違う」といったクレームの原因となります。
利用シーンのカットなどで「もっと躍動的にしたい」「ノスタルジックな雰囲気にしたい」などの場合は、後ほど写真加工ソフトでフィルターをかけて仕上げるのが良いでしょう。
フィルター機能は普段使いに便利な機能です。しかし、物撮りのように、写真と被写体の色を正確に合わせたいときには不向きですので注意してください。
グリッドライン機能
スマホで商品を撮影する際には、グリッドライン機能をオンにします。
線があることで垂直方向・水平方向の傾きを予防できるためです。商品が傾いているとユーザーの違和感につながりますので、撮影時にしっかりとチェックしましょう。
また、グリッドラインがあると、以下の3つの構図が撮りやすくなるのもメリットです。
・三分割構図
・対角線構図
・日の丸構図
スマホで撮影時の注意点
ここまでに紹介した4つのポイントと、3つの機能を押さえて商品撮影をしても、ちょっとしたミスで台無しになることがあります。
例えば、初心者のありがちなミスは、「フラッシュの使用方法」「手ブレ対策の不備」「デジタルズームの使用」です。
少し画像が暗いと感じるとフラッシュを使いたくなる方もいるでしょう。しかし、良かれと思っていたことが、実は品質を下げてしまうこともあります。
このようなミスは、3つの注意点を守ることで対策が可能です。知っているのと、知らないのとでは作業効率にも大きく影響しますので、最後までチェックしてみてください。
フラッシュ機能
スマホのフラッシュは光が強く、商品が白飛びしてしまい本来の色味と異なったり、影が強くでてしまったりするからです。
先述したように、物撮りにはサイド光が向いています。フラッシュを使用すると、真正面からの順光となります。その点からも、フラッシュは物撮りに向いていないといえるでしょう。
もちろん、フラッシュは絶対ダメということではなく、使い方によって効果的なこともあります。効果的なシチュエーションとしては以下があります。
- ・逆光のときは、被写体が暗くなるのをフラッシュの光で和らげられる
- ・水しぶきは、フラッシュの光が反射してキラキラときれいに撮れる
ただし、商品画像の撮影時に、このようなシチュエーションは限られます。基本は、オフにして撮影しましょう。
手ブレ
手ブレは、その名のとおり手で持って撮影することで起こります。対応策として、スマホ用三脚を使用しましょう。スマホ用の三脚であれば、100円均一でも販売されています。手頃な価格ですので、三脚を持っていない方は購入してください。
スマホ用三脚を使用すると、以下の3つのメリットがあります。
- ・手ブレを防止できる
- ・同じアングルから何度も撮影ができる
- ・ピントをキープしやすくなる
また、スマホ用三脚を使用してもボタン操作時の揺れで、手ブレが発生することもあります。そのような際には、セルフタイマー機能を活用しましょう。セルフタイマー機能で3秒後・10秒後などと設定することで、ボタン操作の揺れが落ち着いてから撮影できるためです。
デジタルズーム機能
カメラのズームには、光学ズームとデジタルズームの2種類があります。
わかりやすく解説すると、光学ズームはレンズの交換や、レンズ間の距離を調整することによりピントを合わせる方式です。デジタルズームは、元々の画質は変わらないままに、画像を引き延ばすことでアップにする方法です。
スマホは、大きなレンズを付けられないため、デジタルズームが採用されています。
デジタルズームのメリットは、高額なレンズが不要なことです。
しかし、デメリットは、アップにするほど画質が悪くなることです。
このため、スマホで物撮りをする際は、アップにしすぎないように注意しましょう。
まとめ
- ・実物に近い色合いにする
- ・サイズ感が伝わるようにする
- ・デザインが伝わるようにする
- ・サイド光を活用する
さらに、スマホカメラ機能の設定は以下をお試しください。
- ・ホワイトバランス調整機能はマニュアルで調整する
- ・HDR機能をオフにする
- ・フィルター機能をオフにする
- ・グリッドライン機能をオンにする
- ・フラッシュ機能はオフにする
- ・手ブレ対策はスマホ用三脚を使用し、場合によってセルフタイマーを併用する
- ・デジタルズーム機能の使用は最小限にとどめる
これで、プロ品質の商品写真にグッと近づいたはずです。
自分で魅力的な写真を撮れるようになると、ECサイト運営やフリマアプリへの出品がさらに楽しめるでしょう。本記事の方法を参考に、ぜひ商品撮影にチャレンジしてみてください。
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