コンビニ決済やクレジットカード決済などが主ですが、中には「代引き」を利用される方もいらっしゃるでしょう。
利用されない方にとっては「代引きってなに?」「着払いとは違うの?」と、混乱の元かもしれません。
代引きとはどのような決済方法なのか、着払いとの違いも含めて解説します。
利用する上でのメリット・デメリットも、ネットショップ利用者・運営者双方の視点から解説するので、ぜひ参考にしてみてください。
Contents
代引き(代金引換)とは
配達業者が販売業者の代理で料金を回収し、ユーザーは代金と引き換えに商品を受け取れます。
総務省が令和2年(2020年)に行った「通信利用動向調査報告書(世帯編)」によると、インターネットを使って商品を購入する際の決済手段として「クレジットカード決済」「コンビニ決済」に次ぐ3番目に利用されています。
全体の24.6%を占めており、電子決済が増える中で依然人気の決済方法です。
代引きは主に現金で支払われますが、クレジットカードや電子マネーで決済できる配達業者もあります。
参考資料:総務省「通信利用動向調査報告書(世帯編)」令和2年
https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/statistics/pdf/HR202000_001.pdf
代引きの仕組み
以下のような流れで支払われます。
- ●ユーザーが商品を注文する
- ●ネットショップが代引き処理をして商品を発送する
- ●代金受け取りと引き換えに、配達員がユーザーへ商品を渡す
- ●決済代行会社からネットショップの口座に代金が振り込まれる
代引きと着払いの違いは?
以下のように、荷物が届いた際の支払い内容が異なります。
- 代引き:「商品の代金&配送料&代引き手数料」を支払う
- 着払い:「配送料」を支払う
似た方法ではありますが、商品代金を支払うタイミングが大きく異なります。ちなみに着払いの商品代金は、注文時に販売会社へ支払われています。
購入者側が代引きを使うメリット
他の決済方法を利用している方でも、メリットを知れば代引きの方が便利かもしれません。
送られてきた商品を確認してから料金を支払える
代引きは受け取りと同時に支払うため「支払ったのに商品が届かない」というトラブルを回避できます。
事前決済の場合は、決済されてから発送されるため、上記のようなトラブルを防げません。
ネットショップからの情報漏洩を防止できる
個人情報やクレジットカード情報などが漏洩する事件は、たびたびニュースで目にする話題です。
代引きを利用すれば、クレジットカード情報などが漏洩するリスクを避けられます。
購入者側が代引きを使うデメリット
ヤマト運輸「代金引換決済」
https://business.kuronekoyamato.co.jp/service/lineup/payment_daibiki/
代引き手数料でプラス料金が発生する
例えばヤマト運輸であれば商品金額に応じて、最低330円~最大1,100円かかります。
大きな手数料ではありませんが、頻繁にネットショッピングを利用される場合は気になるコストです。
ネットショップによっては一定額以上の購入で代引き手数料がタダになる場合もあるので、お得にショッピングしたい場合は確認しましょう。
必ず受け取る必要がある
事前決済であれば、置き配や宅配ボックスなどで、不在時でも商品を受け取れます。
しかし代引きは、購入者もしくは代理人が受け取らなければならないので、商品到着をうっかり忘れていたり、急用で外していたりすると商品を受け取れません。
代引きを利用する場合は、間違いなく受け取れる日時を指定しましょう。
ネットショップ側が代引きを使うメリット
販売機会の損失を防げる
決済方法に代引きを用意していないと、クレジットカード決済に抵抗がある人や、クレジットカードを所持していない人などが利用できなくなります。
「代引きできないなら買わない」「他のネットショップを利用しよう」など、販売機会の損失につながりかねず、他のネットショップにお客さんが流れてしまうかもしれません。
代引きを用意しておけば、幅広いユーザーに利用してもらいやすくなります。
カゴ落ちを防止できる
カゴ落ちとは、ユーザーがカートに商品を入れたものの、購入まで至らなかったケースのこと。カゴ落ちになる原因はさまざまですが、よく使う決済方法が使えないのも一つの要因です。
またクレジットカード情報の登録・入力が嫌で、カゴ落ちするケースも。セキュリティ面の不安もありますが、情報入力が面倒といった場合もあります。
いずれにせよ代引きを用意すれば、スムーズに購入へ至りやすくなるでしょう。
ネットショップ側が代引きを使うデメリット
受け取り拒否される可能性がある
代引きで注文したユーザーが、商品を何らかの理由で受け取らなかった場合、そのままネットショップに戻ってきます。
ただ戻るだけではなく「商品の往復送料&代引き手数料」を、ネットショップ側が支払わなくてはなりません。
受け取り拒否の件数が多かったり、遠方への配送が多かったりすれば、思わぬ大きな損失となる可能性があります。
カード決済手数料や口座振り込み手数料がかかる
代引きは現金支払いが一般的ですが、中にはクレジットカード決済に対応している配達業者もあります。
カード決済手数料はユーザーではなく、ネットショップ側が支払うので注意が必要です。
また配達業者が回収した代金を振り込んでもらう際に、振込手数料も発生します。
代引きを導入するか否かは、手数料も含めて判断する必要があります。
代引きで荷物を送る方法と手数料
ネットショップ作成サービスを利用していない場合は、配達業者へ直接代引き利用を申し込む必要があります。
以下が、配達業者へ依頼する主な流れです。
- ●配達業者のホームページで申し込む
- ●審査に合格する
- ●申込書に押印する
また代引き手数料は、配達業者によって以下のように異なります。(2022年5月25日現在)
【ヤマト運輸】
商品金額 | 代引き手数料 |
~10,000円 | 330円 |
~30,000円 | 440円 |
~100,000円 | 660円 |
~300,000円 | 1,100円 |
~500,000円 | 2,200円 |
~600,000円 | 6,600円 |
※60万円を超える場合は、10万円ごとに1,100円プラス
【郵便局】
●ヤマト運輸「代金引換決済」
https://business.kuronekoyamato.co.jp/service/lineup/payment_daibiki/
●佐川急便「e-コレクト」
https://www.sagawa-exp.co.jp/service/e-collect/
●郵便局「代金引換」
https://www.post.japanpost.jp/service/fuka_service/daibiki/index.html
代引きを利用する際に気を付けるべき注意点
購入者側の場合
「配達業者が来たのに払えない」なんてことにならないよう、事前に準備しておきましょう。
現金でしか支払えない場合がある
ヤマト運輸のようにクレジットカード決済や電子マネー決済を使える場合もありますが、現金でしか支払えない場合もあります。
もし現金がなくて支払えない場合は、後日再配達になるので要注意です。
受け取り時に慌てず済むように、事前に支払い方法を確認しておきましょう。
できるだけお釣りが出ないよう小銭を用意する
配達業者が持っている現金は限られているので、お釣りを切らしているかもしれません。
スムーズに商品を受け取るために、小銭を用意するなど支払い準備を整えておきましょう。
ネットショップ側の場合
受け取り拒否されてもサービス料は発生する
数百円程度ではありますが、大型商品の場合や複数件あった場合などは、高額になるケースも考えられます。
受け取り拒否のリスクを軽減するため「受け取り拒否時の対応を明記する」「発送後はキャンセルできないことを明記する」などの対策を施しておきましょう。
送れる商品には上限金額が設定されている
上限金額は配達業者ごとに異なり、以下のようになっています。(2020年5月25日現在)
配達業者 | 上限金額 |
ヤマト運輸 | 30万円まで |
佐川急便 | 500万円まで |
日本郵便 | 200万円以下 |
金額こそ異なりますが、配達業者ごとに上限金額が設定されているので、商品の金額によっては代引きを使用できないかもしれません。
代引きは利用者・運営者どちらにもメリットがある決済方法
ネットショップ側からすると、代引きを利用したいユーザーの取りこぼしを防げるため、採用しておきたい決済方法です。
しかし利用者・運営者ともにデメリットもあるので、良い面と悪い面を理解した上で利用するのがおすすめです。
コメント