楽天市場やYahoo!ショッピングなどはモール型ECに分類され、モールのみに出店している店舗もあるでしょう。しかし、自社ECとモール型ECのメリットは異なります。
利益の最大化を目指すためには、自社EC・モール型ECの併用がおすすめです。
それぞれのメリットを活かすことで、より幅広いマーケティングができるためです。本記事では、自社ECのメリットや注目を集めている理由について詳しく解説します。
Contents
自社ECとは?
一方、モール型ECでは、モールのドメインを利用するのが一般的です。
例えば、楽天であれば「www.rakuten.co.jp」、Yahoo!ショッピングが「store.shopping.yahoo.co.jp」になります。モール型ECを実店舗に例えると、ショッピングモールのテナントに出店する運営スタイルと似ています。
このように聞くと、自社ECを運営しようにも「独自ドメインの取得が難しそう」と感じるかもしれません。しかし、ECサイト構築サービスには、独自ドメインの取得・設定も簡単にできるサービスもあります。
そのため、比較的簡単に始められるため身構える必要はないでしょう。
自社ECが注目されている理由
このように自社ECが注目される理由は、DtoCやBtoBなど、これまでのBtoC以外のビジネスモデルにもECサイトが活用されるようになったためです。
モール型ECでは利用できる機能が限られてしまうため、自社の目指すビジネスモデルを構築できないことがあります。「モールの利用規約の縛りをなくしたい」「デザイン性を追求したい」「機能を拡張したい」といった要望を叶えるためにも、自社ECの活用方法が見直されているのです。
自社ECサイトを持つ3つのメリット
自社ECサイトを持つ最大のメリットは、「利益率を高められること」といっても過言ではないでしょう。自社ECは必要に応じたサービスを選ぶことで費用を抑えられるため、コストパフォーマンスに優れています。
一方、ECモールで出店するには、初期費用・月額費用・サービス利用料などが必要になります。これらの費用に負担を感じている店舗もあるはずです。
利益率以外にも自社ECには、「自由度の高いデザイン・機能が設定可能」「企業や自社製品のブランディング構築」のメリットがあります。
自由度高くこだわりのあるデザインや機能が設定可能
自社ECの構築方法のフルスクラッチであれば、システムをゼロの状態から作り上げるため、他にはない独自システムを実現できます。そのため、自社のビジネスモデルに最適化した自社ECを運営できるでしょう。また、ASPであっても機能を拡張できるサービスや、デザインテンプレートが豊富なサービスを選ぶことで、費用を抑えながら自由度の高いECサイトを構築することも可能です。
一方、モール型ECでは、モールによってデザインのテンプレートがある程度決まっています。そのため、店舗独自でデザインを追求することが難しく、オリジナリティの高いECサイトの実現は困難です。機能についても同様で、モールは複数の店舗が利用している出来上がったシステムのため、各店舗がそれぞれ求める機能を拡張できません。そのため、利用できる機能にビジネスモデルを合わせる必要があるでしょう。
このようなモール型ECのデメリットをカバーするためにも、自社ECは役立ちます。機能・デザインを自由に設計できることで、DtoC・BtoBのようなビジネスモデルにも対応できるためです。
企業や自社製品のブランディング構築
また、自社ECは利益率が高いため、その収益を利用してブランディングやマーケティングに注力できるのも魅力といえるでしょう。ブログ運営・SNS連携など様々なマーケティングを展開することで、オムニチャネルによる多角的なユーザーの取り込みを目指せます。
このような、新たなサービスや購入体験を提供することで、リピーター・ファンの獲得につながります。自社ドメインを覚えてもらい自社ECにリピーター・ファンを獲得できると、長く売り上げに貢献してくれるため安定した経営につながるでしょう。
自社ECサイトでAmazonの集客力を利用できる?
自社ECの集客対策の1つにAmazonをうまく利用する方法があります。
Amazonは、国内有数の集客力を持つモールです。そのAmazonに出店・出品することで、自社商品の知名度アップに役立ちます。また、多くのユーザーが集まるAmazonに出品することで、ユーザーのニーズを確かめる場所として活用するのもおすすめです。
さらにAmazonは、「Buy With Prime」と呼ばれる自社ECにプライム会員の配送特典を追加できる機能をリリースしました。この機能により、自社ECにAmazonユーザーを取り込むことで集客力の向上につながります。
モール型ECを運営していても自社ECを併用すべき理由とは?
モール型ECの強みは集客力で、多くの新規顧客をECサイトに誘導できます。そのため、自社商品・ブランドの知名度を上げるのに役立つでしょう。自社ECの強みは、目指すビジネスモデルをデザイン・機能から追求できることです。コンセプトに沿ったECサイトを設計することで、リピーター・ファンの獲得に役立ちます。
どちらも効果的に運用することで、収益の最大化を目指せます。その利益をさらなるマーケティングに投資することで、より多くの集客につながる好循環型のビジネスが展開できるでしょう。
まとめ
自社ECには、「利益率が高い」「デザイン・機能を自由に設計できる」「ブランディングに役立つ」の3つのメリットがあります。一方、モール型ECは「強い集客力」がメリットです。
双方を併用することで、それぞれのメリットを活用できます。うまく使い分けることで、自社商品・ブランドの知名度アップにつなげてリピーター・ファンを自社ECで獲得、利益をさらなるマーケティングに投資するといった好循環型のビジネスモデルを実現できるでしょう。
モール型ECしか運営していないという方は、収益アップを目指すためにも自社ECの運営を検討してみてください。
そこで本記事では、売上アップにつなげるための競合ストアの調査方法と対策ポイントを紹介します。競合ストアから自社のマーケティング方法を見直し、収益性を向上させましょう。
競合ストアの調査方法
自社ECサイトの集客方法で、競合しているサイトを5社から10社ピックアップしましょう。例えば流入経路がSEOであれば、キーワードで上位表示されている競合サイトです。モール店であればモール検索となりますし、Web広告であれば同じ媒体で広告出稿している他社企業となります。
次に、ピックアップした競合サイトに対して3つの調査を実施します。
- レビュー調査
レビュー調査は競合サイトに掲載されている顧客のレビューから、商品・サービスに満足しているのか、不満はどのような部分にあるのかを確認することです。レビュー調査で、競合サイトの強みや弱みを把握できます。 - 購入調査
購入調査は、競合サイトから実際に商品を購入して、ユーザーの立場から競合サイトを分析することです。
例えば、配達までの連絡方法や梱包の仕方、カスタマーサポートの対応などについて確認します。競合サイトの顧客満足度を高める施策をチェックしましょう。 - サイトの調査
商品数や価格帯、情報量、送料、決済方法などのサイト全体の品質を調査します。
3つの調査をピックアップした競合サイトで実施して、自社に足りなかった施策やアイデアの参考にしましょう。
競合ストアの見るべき項目
例えば、自社商品の価格面で悩んでいるのであれば、競合ストアの価格帯が気になるでしょう。しかし、価格帯だけを見ていても全体像を把握できません。
そこで、競合ストアの調査で主に見るべき項目は「商品」「カテゴリー」「価格」の3つをおすすめします。これら3つの項目で、競合サイトがどの部分に力をいれているのかや、ユーザーのニーズなどを把握できるためです。
競合ストアの見るべき各項目について詳しく解説します。
商品
商品詳細であれば具体的には商品画像の枚数や利用方法、商品スペックの記載方法、特徴の説明の仕方などです。
また使用シーンの提案は、ユーザーが自分ごととして捉えられるため訴求力が高く、多くのECストアで取り入れられています。競合ストアでどのような使用シーンの提案をしているのかを確認することで、ユーザーのニーズの把握にも役立つでしょう。
商品ページで確認する際のポイントは、ユーザーが購入してくれるために必要な情報はどのような内容であるかです。自社ECサイトで実施していない訴求方法がないかも確認してください。
カテゴリー
とくに、Yahoo!ショッピングや楽天市場などのモールに出店しているのであれば、競合ストアがどのカテゴリーに商品を登録しているのかは重要です。なぜなら同じカテゴリー設定をしているように見えても、細かなカテゴリーまでしっかりと設定されている場合もあるためです。
例えば、「メンズファッション」の「トップ」とカテゴリー設定するよりも「メンズファッション」の「トップ」の「半袖」と設定するほうがより露出を高められるでしょう。
このように、競合ストアがどの商品をどのカテゴリーに設定しているのかを細かな部分まで確認してください。またカテゴリーごとの商品数を確認して、競合ストアがどのような商材に力をいれているのかも一緒に確認します。
価格
ECサイトの特徴として、競合ストアとの価格を比較されやすいことがあげられます。ユーザーは同じ商品や類似商品を、より安く購入できるサイトを探そうとするためです。そのため、競合ストアと販売価格に大きな開きがある場合は、自社ECサイトの販売価格を見直す必要があるでしょう。
価格は商品価格だけではなく、送料やクーポンなどが使用できるかによっても違いがあります。送料無料となるためにはいくら以上必要なのかや、送料の違いについても確認してください。同じ商品であれば競合サイトより1円でも安くすることで、多くの方に見てもらえたり、購入されたりする可能性を高められます。
競合ストア対策ポイント
そこでおすすめなのは、競合ストアで実施している魅力的な施策を取り入れる方法です。加えて「集客」「購買率」にポイントを絞って対策することで競争力を高められ、競合ストアとの差別化につながるでしょう。
ここでは「集客」「購買率」の対策方法について紹介します。
集客
集客力を強化するための対策方法は、Web広告やSEOなどが代表的です。
- Web広告
リスティング広告やバナー広告などのWeb広告は、広告媒体から自社ECサイトに顧客を誘導できます。費用がかかるデメリットがありますが、広告出稿するとすぐにでも集客につながる即効性が魅力です。 - SEO
検索エンジンからの流入を強化できる対策方法にSEOがあります。SEOに成功すると無料で集客できる一方、成果がでるまでに時間がかかるのがデメリットです。
Web広告・SEOの両方を対策することで、集客力を高められます。さらにSNSの活用や、モール店であればモール内広告に出稿するのもおすすめです。
購買率
購買率を高める対策は、競合ストアの調査で確認した「商品」の項目を参考にしましょう。
商品情報の掲載方法や使用シーンの提案、商品画像の使い方によって、購買意欲を高められるためです。ほかにも、クーポンを配布したり、レビューを掲載したりすることで、購買率を高める方法もあります。
集客と購買率の対策をそれぞれ実施することで競争力を高められるでしょう。競合ストアとの差別化に悩んでいるのであれば、この2つをぜひ実施してみてください。
まとめ
また、競合ストアを細かく調査すると対策ポイントが絞れるので、効率的な改善にもつながります。
例えば流入経路や販売価格、商品の特徴や、カスタマーサポートなど、自社ECサイトとの違いがないかについてです。収益性アップや競合ストアとの差別化に悩んでいるのであれば、ぜひ競合ストアの調査を実施してみてください。