なぜ商品説明が大切?商品の魅力を伝えよう
ネットショップはリアル店舗のように商品を手に取ってもらったり、店員が直接案内したりして商品の魅力を伝えられません。商品の魅力を伝えるのは、写真・動画と文章だけです。
ユーザーへ与えられる情報が少ないにもかかわらず、ただ商品のスペックや寸法、産地、価格など、商品の特徴を説明するだけの商品説明に終始してはもったいないといえます。
商品に関する説明も大切ですが、プラスしてストーリーやベネフィットを伝えて、ユーザーの感情に働きかけるのが大切です。
ユーザーの感情を揺さぶり「商品を買う価値」を感じてもらえれば、売上につながるでしょう。
いかに魅力を伝えられる商品説明を書けるかが、売上アップに大切なポイントです。
商品説明を書く前にやるべき3つのこと
ターゲット(購入者)のペルソナを考える
ペルソナとは「ユーザー像」のこと。商品のメインターゲットとなるユーザーが、どのような人物なのか、できるだけ具体的に設定してください。
例えば同じ30代男性でも、独身の会社員男性と既婚で2児の父の自営業男性では、人物像は大きく違うため、必然的に商品を選ぶ基準も異なるものです。
ペルソナ設定を行ってターゲットを明確にしておけば、どのような人へ向けて書く商品説明か、方向性が明確になります。
ペルソナを作成する上で設定すべき項目は、例えば以下のようなものが挙げられます。
- ●性別
- ●年齢
- ●年収
- ●学歴
- ●職業
- ●家族構成
- ●趣味
- ●よく読む雑誌・Webサイト
- ●よく使うSNS
ペルソナが設定できたら、どのような悩み・ニーズがあるのか分析しましょう。
リアルなペルソナは悩みや行動パターン、趣味趣向などが、具体的に想定しやすくなるため、商品説明もよりささりやすい文章となります。
販売する商品の特徴や魅力を理解する
商品の理解が浅ければ、魅力を伝えられず単なる説明文になってしまいます。魅力を伝えられるように、商品の特徴を以下6W2Hのフレームワークに当てはめて分析してください。
- ●When(いつ):発売日、販売期間、旬の季節など
- ●Where(どこで):産地、販売店、販売ルートなど
- ●Who(誰が) 生産者、メーカー、歴史など
- ●Whom(誰に):商品のペルソナ、悩み、ニーズなど
- ●What(何を):商品情報(商品名、サイズ、機能、スペックなど)
- ●Why(なぜ):商品のストーリー、解消できる悩み、提供できる価値など
- ●How(どのように):商品の使い方、口コミ・レビュー、サポート・補償内容など
- ●How much(いくらで):販売価格、お試し価格、セール・割引、支払方法など
フレームワークに当てはめて考えると、商品の魅力が考えやすくなるだけではなく、漏れや抜けの防止にも役立ちます。またメリット・デメリットなどは、箇条書きで書き出すと整理しやすくなりおすすめです。
特に「誰に・なぜ」の部分は商品を買うべき理由につながるため、丁寧に深堀りすれば購入につなげやすくなるでしょう。
商品説明文の構造と基本的な書き方を押さえる
まずキャッチコピーとは、ユーザーの「興味を惹く」ための文章。後に続く文章を読んでもらえるように、導入部分でしっかりと注目させる必要があります。
ユーザーは基本的に文章を読みたくないため、ここで注目してもらえなければ、読み進められずスルーされてしまうかもしれません。
つい気になってしまうような、面白いキャッチコピーを考えましょう。
次にボディコピーとは、商品説明のメインとなる文章です。先ほど紹介した6W2Hを意識して書くのがおすすめです。
商品写真だけでは伝わらないような情報を、ストーリーやベネフィットを交えて書くことで、商品の魅力を伝えます。書き方の具体的なコツは、後ほど解説します。
最後にクロージングコピーとは、購入の「後押し」をする締めの言葉。数量限定や期間限定など「今買っておかないと後悔するかも」という気持ちにさせるような、購入意欲を高める文言です。例えば「今だけ○○もセットでプレゼント」「〇日までの限定価格」「オンライン限定色」などが挙げられます。クロージングコピーがあれば、購入するか悩んでいる人の背中を押せるだけではなく、読み飛ばされにくくなるため認知されやすいというメリットもあります。
商品説明の書き方は?魅力を伝える10のコツ
商品の説明はしっかりと長めの文章で書く
簡潔な説明文では商品の魅力を十分に伝え切れません。ショップの説明のように、400~1.000文字程度の文章で、しっかりと情報を伝えましょう。
とはいえ文字数が多ければいいわけではなく、長くても内容のない文章では意味がありません。
商品の魅力を余すことなく伝えられるように、多くのセールスポイントを盛り込んで、魅力を伝えましょう。
写真では伝えられない情報を文章にする
商品画像はひと目で商品の概要を伝えられ、視覚的に商品のイメージを伝えられるのがメリットです。
しかし細かな部分を伝えるには適しておらず、具体的な素材や産地、サイズなど細かな情報を伝えるには文章で補足する必要があります。
また生産者の想いや製作までのストーリーなども、写真では伝えきれない文章化すべきものです。
反対に写真を見ればわかるような情報は、余分な情報なので省きましょう。
写真と文章が互いに補い合うようなイメージで、商品説明を作成してください。
ユーザーが読みやすいレイアウトで書く
伝えたい情報を全て詰め込んでも、読みにくければ当然ユーザーは読んでくれません。読んでもらいやすい文章に、整えることが大切です。
具体的には、以下のような方法が挙げられます。
- ●タイトルや見出しを大きくする
- ●箇条書きを使う
- ●改行や句読点を適宜入れる
- ●重要な部分は太字・アンダーラインで強調する
- ●表やグラフなどで視覚的に伝える
- ●商品画像やイメージ図を挿入する
ほんの少しの工夫や気遣いで読みやすい文章になるので、読み進めようと思われるような文章に整えてください。
明確なターゲットに向けて書く
「ターゲット以外の人に買ってもらえないのでは」と思われるかもしれませんが、全ての人にささる商品説明を書くのは不可能です。
大勢に向けて書いた文章は誰にでも当てはまる無難なものにしかならないので、結局誰の心にもささらない薄味なものになってしまいやすいです。
設定したペルソナを想定して、その人の悩みやニーズに刺さるような商品説明を書けば、深々と刺さる秀逸な商品説明になるでしょう。
明確なターゲットに向けて語りかけるよう意識すれば、響く商品説明を作成できるはずです。
商品の特徴や成分などは数字を使って具体的に伝える
このように、具体的な表現にすることで情報の説得力が増すため、可能な場合は数字で明記しましょう。
また数字は目を引くので、注目を集めやすいのもメリットです。使い過ぎるとわかりにくくなりますが、注目して欲しいポイントを明確にするにはもってこいです。
曖昧な表現はイメージしにくく人によって想像するものが異なるので、数字を盛り込んでハッキリとしたイメージにしましょう。
商品を買うメリットではなくベネフィットを伝える
ベネフィットとは、商品を購入すると得られる「利益・結果」のことです。
例えばアクセサリーを買って得られるベネフィットとしては「おしゃれと周りに褒められる」「個性的なファッションになる」などが挙げられます。
ユーザーが本当に欲しいのは「商品」ではなく、商品によってもたらされる体験や変化といった「利益・結果」です。
ユーザーのニーズや商品の使用シチュエーションなどから、どのようなベネフィットを提供できるか考えて文章にすると、ユーザーに響く魅力的な商品説明となります。
デメリットや注意点も記載して誠実に対応する
商品にはメリットやベネフィットだけではなく、デメリットや注意点もあるはず。もし意図的に隠して販売すれば、ユーザーに不利益が生じて返品・返金になったり、ショップの信頼に傷がついたりするかもしれません。
またデメリットを記載しておけば、マイナス面も分かった上で購入してくれるため、商品購入後のクレームを減らす効果もあります。
悪い部分もわかった上で納得して購入してもらえるよう、正直に記載するようにしてください。
購入時に抱きやすい不安や懸念は払拭する
商品説明を読んだユーザーは、さまざまな不安点・懸念点を考えます。
例えばアクセサリーであれば「錆びないか?」「黒ずまないか?」「サイズは合うのか?」など、使用時・使用後を具体的にイメージします。
不安や懸念があると購入の一歩が踏み出せないので、先回りして不安や懸念を払拭できるような説明を書くのがポイントです。
先ほどの例であれば「錆びない材質です」「黒ずみ防止加工を施しています」「フリーサイズです」のように、ユーザーが気になる部分を補うようにしましょう。
またデメリットがあっても、払拭できるよう対処法などを記載しておくのもおすすめです。
購入の妨げになる不安や懸念をあらかじめ考えて、打ち消す文章を用意しましょう。
商品のストーリーを伝えるよう意識する
商品の情報だけではなく「商品が生み出された背景」や「生産者の苦労」「こだわったポイント」など、商品にまつわるストーリーを伝えると、より魅力的な商品説明になります。
ただの情報の羅列より、物語やエピソードになっている文章の方が、つい読み進めてしまいやすく、記憶にも残りやすくなります。
商品のこだわりや希少性など「この商品・ショップならでは」のポイントを打ち出せれば、他とは違う特別な商品だと感じてもらえるでしょう。
ショップや作り手の想いなど、消費者が知らない物語を熱く書くようにしてください。
比喩やオノマトペを活用してイメージしやすくする
例えば「甘いりんご」より「ハチミツのように蜜が甘いりんご」の方が、イメージしやすくなります。
またオノマトペを使うと感覚的な表現ができるため、特に飲食物など五感で楽しむ商品の表現にぴったりです。
例えば「ぷりぷりの海老」「サクサクのクッキー」のような表現があります。
どちらも多用するとくどい文章になりますが、ポイントを絞れば効果的に商品の魅力を伝えられます。
商品説明を工夫すれば売上アップにつながる
簡素な概要だけではどのような商品で、どのような魅力があるのかユーザーに伝わりにくいため、どれだけ素晴らしい商品でも売れない可能性は十分にあります。
ユーザーのペルソナを設定して、商品と商品説明の書き方を理解した上で、10のコツを駆使すれば、商品の魅力を存分に伝えることができるでしょう。
他のショップなども参考にして、売れる商品説明を書いてみてください。