副業を始めれば本業に依存せず稼げますが、ひと口に副業といっても多種多様。ちょっとしたお小遣い稼ぎもあれば、起業する方法までさまざまです。起業の中でもネットショップを開店させると「開設コストが安い」「趣味・特技を活かせる」などメリットが多く、リスクを抑えながらお金を稼げます。
とはいえ起業と聞くとハードルが高く感じるはず。
副業で起業するメリットやネットショップがおすすめの理由を解説するとともに、成功させるポイントや注意点、知っておくべきことも紹介します。「副業を始めたい」「ネットショップで稼ぎたい」方は、ぜひ参考にしてみてください。
Contents
なぜ?副業や兼業が注目されている理由
また以下のようなコロナ禍による影響も、副業や兼業に注目が集まる理由です。
- ●テレワークの普及により通勤時間がなくなった:削減された時間を有効活用したい
- ●本業の業績悪化で収入がダウンした:本業での収入減を補いたい
- ●本業の業績低迷で将来に不安を感じた:会社に依存しない収入源を得たい、スキルアップしたい
こうした社会状況の変化による働き方の変化・雇用の不安から、副業が注目されています。
その他にも自分の「好きなこと」を仕事にしたいという気持ちを、形にするため副業を始めるケースもあります。
厚生労働省「モデル就業規則」令和3年4月版
https://www.mhlw.go.jp/content/000496428.pdf
(参照2022-2-23)
20代の働き方研究所「コロナ禍で注目が高まる「副業」。「副業」を解禁する企業・受け入れる企業の目的とは?」
https://lab.re-katsu.jp/column/detail/id=463
(参照2022-2-23)
副業で起業する4つのメリット
自分の好きな仕事でお金を稼げる
会社に勤めていると、好きな仕事だけできるわけではありません。したくない仕事をしなくてはいけなかったり、上からの指示に従わなくてはいけなかったりと、自分の意思で自由に働けない方は多いでしょう。副業であれば、自分の仕事を自由に選べます。趣味や特技を活かすことも可能なので、モチベーションを高く保ちながらお金を稼げます。
頑張れば頑張るほど成果が出る
しかし副業の場合は、成果に応じて報酬をもらえます。成果を出せば出すほど、対価を得られます。もちろん頑張っても成果が出ていなければ報酬は得られませんが、少ない稼働時間で大金を得ることも夢ではありません。
スキルアップにつながる
副業では、本業とは異なるスキルが必要になる場合もあります。例えばネットショップ運営では、商品の写真撮影や画像作成、PR文章の作成、マーケティング、データ分析など、さまざまな知識やスキルが業務を通じて磨かれます。
また自分自身で「何をすべきか」ゼロベースで考える力が身に付くため、自分で考え改善していく力も養えるでしょう。副業で得たスキルが、本業で役立ちキャリアアップにつながるかもしれません。
将来的に独立もできる
副業での収入が本業を超えれば、副業を本業にできます。例えば「趣味を活かして好きな仕事で生きていく」「家族との時間を最優先にして働く」など、自分の理想とする働き方を実現できるかもしれません。将来的な起業を考えている方にとって、副業での起業は独立するための第一歩です。
ネットショップ運営が副業におすすめ!5つの理由
開設コスト(初期投資)が安い
実店舗を開設しようと思えば、土地代や建築費、人件費など、さまざまなコストが掛かります。しかしネットショップに必要なコストは、ネットショップサービスの利用料金や決済手数料、独自ドメインの取得・維持費用など、合計で数千円~数万円ほどで始めることが可能です。
もちろん利用するサービスの種類や、ロゴを外注するなどこだわりしだいで、費用は大きくなるものの実店舗を開くほど高額ではありません。初期費用を抑えられるため「いきなりお金をかけるのは不安」という方でも、副業を始められます。
隙間時間を活用して自分のペースでできる
例えば平日は本業が終わってから問い合わせ対応をしたり、土・日にまとめて発注作業をしたりと、好きな時間に作業が可能です。帰宅後の時間や帰宅途中、休みの日など、普段の生活の中で余りがちな時間を有効活用できます。ネットショップは自分がオーナーなので、自由な働き方ができます。
自分の趣味や特技を活かせる
ネットショップで販売できる商品は多種多様。一般的に売られている家電や化粧品のような既製品だけではなく、自作の小物やアクセサリーといったハンドメイド品も販売可能です。こうした自分の趣味や特技を活かせば、他店との差別化につながります。
例えば特定の層に売れるマニアックな商品を扱ったり、自分の気に入った商品だけを扱うこだわりのお店にしたり、自作のオリジナル商品を売ったりできます。趣味・特技を活かしたこだわりのお店は、同じ趣味のリピーターの獲得や顧客とのコミュニティ作りなど、ファンとも呼べる固定客を得やすくなるでしょう。
商圏がなく全国各地の人に販売できる
実店舗であれば物理的に商圏は限られますが、ネットショップならインターネットさえつながれば、どこに住んでいる人に対しても販売可能です。全国展開しなくても多くの「お客さま」を獲得できるチャンスがあります。
また英語など多言語対応したサイトを準備できれば、世界中の人々へ商品を届けることも可能です。自宅に居ながら、全国各地はもちろん世界中の人を顧客にできるのが強みです。
ショップ運営を通じてさまざまなスキルを学べる
例えば商品を売るためには仕入れや価格設定、在庫管理、販促など、多くの作業が必要です。他にもSEOやコピーライティング、Web広告、SNS運用など、集客するために必要なスキルは数多くあります。
ネットショップ運営を日々行っていくことで、自然と知識やスキルが身に付いていきます。副業で獲得したスキルが本業に活きてキャリアアップできたり、転職に役立ったりと、副業の成功だけに留まらず幅広く役立つでしょう。
ネットショップを副業で成功させるポイントは?
売れる商品を見つける
「需要のある商品」「適切な仕入れ先」を見つけ、販売する商品を決めます。需要のある商品とは「実際に売れている商品」「売れている商品と類似する商品」「売れている商品より機能性に優れる商品」などが挙げられます。InstagramやTwitterなど、SNSを活用して話題になっている売れ筋の商品を探しましょう。
また適切な仕入れ先の特徴としては「商品の品質が良い」「商品の改良に応じてくれる」「値段交渉できる」「サンプルを送ってくれる」「小ロットから発注できる」などが挙げられます。特に仕入れ先は長く付き合っていくことになるため、慎重に選ぶ必要があります。
ネットショップのコンセプトを決める
例えば家具店を開く場合「男性」に「家具を販売する」では、コンセプトが薄くあまり特徴がありません。他店ではなく、あなたのショップで購入する理由がないため顧客がつきにくくなります。しかしターゲットを具体的にして「テレワークで働く20代~30代の男性」に「働きやすくインテリアにも映えるおしゃれなワーキングデスクを販売する」ネットショップであれば、どのような商品を扱っているのかイメージしやすくなります。テレワークで働いている中で「肩こりせずパソコンで作業しやすい、おしゃれなデスクが欲しい」と思っている20代〜30代の男性が利用してくれるでしょう。
このように他店との差別化を図るため、コンセプトを決めることは重要です。数あるネットショップの中から、あなたのお店を選んでもらえるようコンセプトをじっくり練りましょう。
利益率が高い商品を選ぶ
例えば価格を下げて商品が飛ぶように売れても、仕入れ値が高ければ手元に利益は残りません。それどころか赤字になってしまうリスクすらあるでしょう。特にネットショップを始めたての段階では、お店を軌道に乗せるためにも、利益率が高い商品を仕入れるのがおすすめです。
必要に応じて初期投資も検討する
例えば多くの商品を一度に仕入れた方が、商品の単価を抑えられる場合であれば、まとめて仕入れた方が仕入れ単価を抑えられお得です。またネットショップのデザインやロゴなど、商品を「魅せる」ための初期投資もあります。プロに依頼すると費用は掛かりますが、ネットショップの魅力を高めるのに有効です。
お金を稼ぐためにお金を使うのは不安に思われるかもしれませんが、キチンと初期投資すればより大きなリターンを得られるかもしれません。
資格・専門知識などを学ぶ
例えば心理カウンセラーや薬事法、語学力、栄養士など、専門知識は付加価値につながります。例えば「栄養士おすすめの食品」や「バイリンガルおすすめの教科書」など、商品の価値を高めることが可能です。
また資格・専門知識に限らず、ライティングやSNS運用、筋トレ法、ダイエット方法など、仕事で培ったスキルや趣味で得た知識なども活かせます。例えば筋トレ法に詳しければ、筋トレ初心者におすすめの商品を販売できるでしょう。ライティングスキルがあれば、商品の魅力を詳しく伝えられます。
自分が持っている知識をさらに深めたり、未知の領域の知識を身に付けたりすれば、付加価値の高い魅力的なショップにできます。
InstagramやTwitterなどSNSで集客する
新しいお店ができても、すぐにお客さんが訪れるわけではなく、チラシや広告で宣伝が必要なのと同じで、ネットショップも開設しただけで商品が売れるわけではありません。ネットショップを認知してもらうためには、InstagramやTwitterなどのSNSで集客する必要があります。
特にInstagramは写真や動画がメインなので、商品をアピールしやすいSNSです。
例えばターゲットの検索しそうなハッシュタグを付けて投稿したり、広告を出稿して露出を増やしたりといった方法があります。広告には費用が掛かるため躊躇されるかもしれませんが、スタートダッシュをかけるためにはお店を知ってもらうことが大切。たとえ少額でも広告を出稿しておくのがおすすめです。
SNSで商品をアピールしたり、フォロワーを増やしたりすることで、お店のファン獲得・商品の販売につなげましょう。
失敗しないために!ネットショップを副業で起業する際の注意点
リスクを抑えられるよう工夫する
コストが高いと収益化が難しかったり、本業に影響をきたしたりするかもしれません。ネットショップは少ない初期投資で始められるものの、多くの在庫を抱えてしまうリスクがあります。少ない在庫から始めたり、ドロップシッピングのように在庫を持たなくて済むサービスを利用したりと、リスクを最小限にできるよう工夫しましょう。
ちなみにドロップシッピングとは、ショップ掲載した商品が売れたら、メーカーや提携業者から、直接商品が発送される仕組みのことです。
長期的な視点で継続する
副業を始めたからといって、すぐに利益が出るわけではありません。開業当初は赤字が出る可能性もあります。収益化までは、ある程度の時間と労力が必要です。長期的な計画を立てて、成果が上がるよう考えましょう。
また継続していけるようモチベーションを保つのも大切。自分の趣味や特技を活かすなど、楽しみながらショップ運営できるよう工夫することが大切です。
自分に合った方法で出店する
ひと口にネットショップといっても出店方法はさまざま。大きく下記3パターンに分けられます。
- ●ECモールに出店する:Amazon、楽天市場など
- ●ネットショップ作成サービスを利用する:BASE、Shopifyなど
- ●自分で作る
ECモールへの出店は実際のショッピングモールへ出店するように、多くのお店が集まる場所(サイト)へ出店する方法です。対してネットショップ作成サービスは、ECサイトに必要なシステム(受注管理やショッピングカートなど)を提供してくれるサービスです。
また上記のようなサービスを使用せずに、サイトやサーバーを自ら用意する方法もあります。それぞれのメリット・デメリットは下記のとおりです。
メリット | デメリット | |
ECモールに出店する |
●集客力が高い ●利用者の購買意欲が高い ●モール自体に信頼性がある |
●出店費用やランニングコストがかかる ●自由にカスタマイズできない ●利用規約による制限がある ●他店との価格競争に巻き込まれやすい ●ショップ名が覚えられにくく、ファンを作るのが難しい |
ネットショップ作成サービスを利用する |
●初期費用が少なく、不要なものもある ●誰でも開設や運用、カスタマイズがしやすい ●月額固定費が無料のサービスもある ●自由度が高い ●価格競争に巻き込まれにくい ●ショップのファンを作りやすい |
●自分で集客する必要がある ●利用するサービスによって機能が異なる ●専門知識や外注が必要になる場合もある |
自分で作る |
●機能や仕様の自由度が高い ●独自の販売システムを作れる |
●集客、セキュリティ、サイト管理など全て行う必要がある |
それぞれメリット・デメリットがありますが、中でもネットショップ作成サービスを利用してスタートするのがおすすめです。
機能の追加・更新やメンテナンスは自動で行われるため、専門的な知識がなくても始められます。加えて初期費用やランニングコストなども抑えられるので、少ない出費でショップを開業・運営できます。
ただしECモールほど集客力がないため、顧客を集めるには工夫が必要。SNSを活用するなど、商品・ショップの魅力を発信しましょう。
ネットショップを副業として始める際に知っておくべきこと
開業届について
原則開業から1カ月以内に、管轄の税務署宛への提出が推奨されています。しかし提出しなくても罰則はありません。ただし以下のような場合は、開業届が必要になるため忘れず提出しましょう。
- ●青色申告したい場合
- ●事業用のクレジットカードを契約したい
- ●事業用の口座を開設したい
- ●事務所の賃貸契約がしたい
- ●銀行から融資を受けたい
特に青色申告での確定申告は節税効果が高く、開業届を出すことで得られる大きなメリットです。
またネットショップ運営で事務所・作業スペースを確保したい場合や、事業用のクレジットカード・銀行口座を作りたい場合にも「開業届の控え」が必要になる場合もあります。開業届自体は無料で取得・提出できるので、早めに提出しておきましょう。
参考:国税庁「[手続名]個人事業の開業届出・廃業届出等手続」
https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/annai/shinkoku/annai/04.htm
(参照2022-2-23)
販売資格・許可について
例えば古着など中古品を販売する際には「古物商許可」が、お酒の販売には「通信販売酒類小売業免許」が必要です。必要な資格・許可を取得せずに販売すると、罰則を受ける可能性があるため注意が必要です。
販売したい商品を扱うのに資格・許可が必要かどうか、事前に確認しておきましょう。取得に必要な金額や期間は資格・許可によって異なるので、ネットショップ開業に間に合うよう余裕を持って取得してください。
税金・確定申告について
利益ではなく所得のため、売上から経費を差し引いた金額が対象です。例えば売上が30万円で経費が2万円だと所得は28万円なので、確定申告が必要。しかし同じ売上30万円でも経費が12万円かかっていれば、所得は18万円となるため確定申告は不要となります。
また確定申告には「青色申告」と「白色申告」の2パターンあります。
青色申告には開業届が必要ですが、控除額が大きいため節税に効果的です。かかる税金が抑えられれば、相対的に稼げる金額がアップします。会社に勤めていると確定申告は馴染みがありませんが、副業を始める際に知っておきましょう。
参考:国税庁「[手続名]所得税の青色申告承認申請手続」
https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/annai/shinkoku/annai/09.htm
(参照2022-2-23)
副業がバレるリスクについて
本業で副業が禁止されていたり、副業が制限されていたりしないか、就業規則を見直しておくことをおすすめします。「言わなければバレない」と思われるかもしれませんが、住民税でバレる可能性があります。会社員の住民税は「給与から天引き」です。副業収入が大きくなり他の人より住民税が多くなると、経理担当者が違和感を抱き副業がバレるかもしれません。
対策としては住民税を給与天引き(特別徴収)ではなく、自分で納付(普通徴収)することです。ただし手違いで特別徴収されてしまう可能性もあるので、バレずに副業できる保証はありません。
ネットショップの始め方!押さえておくべき4ステップ
販売する商品を考える
簡単にいえば「何を売りたいのか?」が重要。販売する物によって仕入れ方法や販売計画、ショップのコンセプトなどが変わってくるため、念入りに考えておくべきです。例えば同じアクセサリーでも、女性向けなのか男性向けなのかでは、扱うアイテムが大きく異なります。また「仕入れて売る」と「自作して売る」とでも大きく異なります。
どのような商品を販売するのか、具体的に考えましょう。
ショップ名やコンセプトを考える
前述したとおりネットショップを成功させるためには、コンセプトが大切。他店と差別化を図るためにも、じっくり考える必要があります。ショップの「ターゲット」「満たすニーズ」の2つからコンセプトを作ることが大切です。またショップ名(ブランド名)はコンセプトを広く伝える効果があります。名前があるとSNSで口コミが拡散されやすくなるため、ブランドの価値観に共感してくれる消費者に届きやすくなります。
他にもお店の名前を覚えてもらえることで、指名買いされやすくなるのもメリットです。リピーター獲得の第一歩なので、ショップ名やブランド名はじっくり考えるようにしてください。名前の決め方のポイントとしては、簡単で発音しやすくオリジナリティがあることです。時代に左右されない独自性があれば、他店との差別化につながります。
ネットショップをどこで作成するか決める
さまざまな方法がありますが、おすすめはネットショップ作成サービスの利用です。ブランド化させやすく、コストを抑えられるため、副業として始めやすくなっています。ネットショップ作成サービスは月額無料・有料どちらも存在するので、各サービスを比較して適したものを選んでみてください。
開業届を出す
運営規模に関係なく1カ月以内に提出します。提出しないことで罰則はありませんが、青色申告での確定申告や、屋号でのクレジットカード作成・銀行口座開設などに必要となるため、早めに提出しておくのがおすすめです。開業届は国税庁のホームページからダウンロードもしくは、最寄りの税務署で入手できます。必要事項を記入したら、管轄の税務署に提出してください。
ネットショップを副業で成功させて収入を増やそう
数ある副業の中でもネットショップは初期費用が安く、自分の趣味・特技を活かせるため始めやすい副業です。始める前にしっかりと準備を整えて、なるべくリスクを小さくした上で挑戦してみてください。