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簡単にできるECサイトの作り方とECサイト構築サービスのメリット・デメリット

ECサイトを作るといえばHTML・CSS・PHP・MySQLなどを駆使して、サイトのすべてを自作する必要があると思い込んでいませんか。
たしかに、以前であればECサイトを構築するためには、HTMLなどのマークアップ言語のスキルや知識が必要でした。しかし、現在では様々なECサイト構築サービスが登場しています。そのため、マークアップ言語のスキルや知識がなくても、ネットショップは開業できるようになりました。

ECサイト構築サービスは、以下の5つの種類があります。

  • ASP
  • オープンソース
  • パッケージ
  • クラウドEC
  • フルスクラッチ

個人でも利用できるほど手軽なサービスや、開発が必要な大掛かりなサービスなど、それぞれに特徴があります。本記事では、各ECサイト構築サービスのメリット・デメリットを紹介します。

Contents

ASP

ASP

まず、ASPを利用したECサイトの作り方についてです。
ASPとは、アプリケーションサービスプロバイダの略で、インターネット上で提供されているソフトやアプリのことです。ECサイトの分野では、ASPカートやショッピングカートとも呼ばれています。

ASPを利用することで、ECサイトに必要不可欠なカートシステムを簡単に構築できます。
カートシステムだけではなく、ECサイト全体を構築できるサービスも便利です。このようなサービスでは、まるでブログを開設するかのように、洗練されたデザインのネットショップが手軽に構築できます。
専用知識をほとんど必要とせず、お手頃な価格で利用できるため、個人でネットショップを開業するためにはおすすめの作り方です。

国内でサービスを展開している代表的なASPは、以下の3つとなります。

STORES

ECサイトから売り上げが発生する度に利用料が発生する仕組みのため、利用自体は無料のASPサービス。
豊富なテンプレートからお好みのデザインが選べます。

公式サイト▶

STORES

BASE

同様にECサイトから売り上げが発生すると利用料が発生する仕組みを採用。
そのため、初期費用・固定費用が無料で利用できるASPサービスです。

公式サイト▶

BASE

Shopify

定額の月額費用で利用できるASPサービスです。
世界175か国で利用されているため、越境ECサイトを構築する機能が豊富にそろっています。

公式サイト▶

shopify

ASPのメリット

ASPを利用するメリットは、以下の3点です。

費用を抑えながらECサイトを作れる

ASPサービスのメリットは、費用を抑えながらECサイトを構築できることです。
例えば、初期費用・月額費用が無料の「BASE」「STORES」や、月額数千円程度の「Shopify」などです。ECサイトで受注があると利用料金が発生する仕組みのため、固定費用である初期費用・月額費用が低く設定されています。

管理の手間が抑えられる

ASPサービスの中には、共有サーバーを利用できるサービスもあります。このようなASPでは、共有サーバーの管理はASP運営会社が行ってくれるので、管理を行う手間が省けるのもメリットです。

すぐにでも構築ができる

ASPサービスの特徴は、ブログのように簡単にECサイトを構築できることです。他の方法と比較すると、ECサイトをスピーディに構築できることがメリットです。

ASPのデメリット

ASPを利用するデメリットは、以下の2点です。

オリジナリティが出しにくい

ASPのデメリットは、オリジナリティが出しにくいことです。ASPによっては数十種類のテンプレートを用意していますので、自分が求める雰囲気のECサイトを構築できるでしょう。しかし、同じテンプレートを利用しているECサイトも他に多くあるため、デザインでオリジナリティを出すのは難しいです。

・カスタマイズ性に乏しい

ASPのデメリットは、カスタマイズ性に乏しいことです。ネットショップを運営していると、「もっとこんな機能が欲しい」「あのシステムと連携すればもっと効率化できる」など様々な機能を追加したくなるでしょう。しかし、ASPで追加できる機能には限界があり、求める機能によっては対応できません。

オープンソース

オープンソース

2つ目に紹介するのは、オープンソースを利用したECサイト構築方法です。
オープンソースとは、OSS(オープンソースソフトウェア)と呼ばれるものです。オープンソースは無償でソースコードが公開されているため、無料で利用できます。また、ソースコードの改変・再配布ができるなど自由度が高いのも特徴です。

ECサイト構築サービス以外にも多くの分野でオープンソースが使われており、有名なものにLinux、Java、PHPなどがあります。
オープンソースをECサイト構築で利用する場合は、サーバーにインストールしなければなりません。レンタルサーバーによっては、インストールを代行してくれるサービスもあります。
しかし、管理運営・カスタマイズには専門知識が必要なこともありますので、注意が必要です。

ECサイト構築に役立つオープンソースは、以下の3つです。

EC-CUBE

180万以上ダウンロードされているEC専用オープンソースです。豊富な機能性・高いカスタマイズ性が人気の理由です。

公式サイト▶

EC-CUB

Magento

越境ECに強い特徴のオープンソースです。多言語・他通貨に対応するECサイトを構築できます。

公式サイト▶

Magento

WordPress

ブログのCMSとして開発されたオープンソースです。プラグインを追加することで、ホームページやECサイトにも対応が可能です。

公式サイト▶

WordPress

オープンソースのメリット

オープンソースのメリットは以下の3点です。

無料でECサイトを構築できる

オープンソースなので、ECサイトを無料で構築できるのがメリットです。費用を抑えてECサイトを構築したい場合は、オープンソースの利用も有力な候補となります。

拡張機能を追加できる

オープンソースは、世界の有志によって日々、新たな機能がプラグインという形で追加できるようになっています。プラグインを利用することで様々な拡張機能を追加できます。必要な機能を適宜追加できるのは、オープンソースを利用するメリットです。ただし、プラグインには有料のものもありますので、必要な機能を見極める必要があります。

カスタマイズ性に優れている

オープンソースはカスタマイズ性に優れているのがメリットです。例えばWordPressであれば、デザインテンプレートであるテーマが豊富にそろっており、無料利用できるテーマだけでも4,000以上となります。さらに、ウィジェットなどのパーツを変更することでサイトを自由自在にカスタマイズができます。

オープンソースのデメリット

オープンソースのデメリットは以下の3点です。

セキュリティの安全性の確保

オープンソースを利用する際には、セキュリティやシステムの安全性を確保しなければなりません。システムのセキュリティに脆弱性がみつかると、セキュリティパッチが配布されるため、それらをアップデートして更新する必要があります。

専門知識が必要

オープンソースを利用するデメリットは、専門知識が必要なことです。サイトのカスタマイズや保守管理において、Java・PHP・MySQLなどの専門的な知識が必要となるケースがあります。

トラブルが発生しても自己責任

オープンソースのデメリットは、トラブルが発生しても自分で対応しなければならないことです。オープンソースの利用は自己責任なので、トラブル対応・保守管理・バックアップ業務などの様々な対応を行う必要があります。

パッケージ

3つ目のECサイトの作り方は、パッケージを利用する方法です。パッケージとは、カート・商品管理・販売管理・顧客管理などのECサイトを運営するために、必要な機能がそろったサービスのことです。
パッケージは、ECサイト向けに開発されたサービスなので、ASP・オープンソースでは難しいサイトも構築できます。また、フルスクラッチと違ってすでに開発されているため、専門性が高い割にECサイト構築までの期間が短いのも特徴です。

ECサイト構築のパッケージは、以下の2つです。

ecbeing

標準機能のマーケティング機能が特徴です。1,400サイトの運用実績により、ビジネススタイルに合わせた構築が可能です。

公式サイト▶

ecbeing

Orenge EC

BtoC・BtoB・BtoBtoBなど様々な取引を実現できるECサイトに対応しています。また、大量アクセス・大量注文でも安定して稼働できることが特徴です。

公式サイト▶

Orenge EC

パッケージのメリット

パッケージを利用してECサイトを作るメリットは、以下の3点です。

基本機能を網羅している

パッケージはECサイトの作成を目的として開発されているため、基本機能を網羅していることがメリットです。ECサイトの運営のために必要な機能を網羅しているため、機能が足りずに困ることは少ないでしょう。

セキュリティが強い

パッケージは、オープンソースと違いソースコードを公開していません。そのため、セキュリティの脆弱性を攻撃されにくいです。また、定期的にアップロードなどのメンテナンスを行うことで、さらにセキュリティを強化できます。

カスタマイズしやすい

デザイン性・機能面・他サービスとの連携など、様々なカスタマイズがしやすいのもパッケージのメリットです。パッケージには基本機能と追加機能があります。必要に合わせて追加機能を選ぶことで、より自社にあったビジネスモデルを構築できるでしょう。

パッケージのデメリット

パッケージのデメリットは以下の2点です。

費用が高い

ECサイト専用に開発されたパッケージは、ASPなどに比べると初期費用・月額費用の高いことがデメリットです。様々な業務を効率化できる反面、売り上げが少ないサイトであれば利益を圧迫する危険性があります。ECサイトの規模に合わせて利用を検討しましょう。

システムが古くなる

パッケージは導入してから数年経過すると、最新機能ではなくなるでしょう。そのため、最新機能にするためには、システムのメンテナンスやアップデートをする必要があります。このような、メンテナンスが不要な自動バージョンアップのパッケージもありますので、パッケージを選ぶ際のポイントにしましょう。

クラウドEC

4つ目のECサイトを作る方法は、クラウドECです。クラウドECとは、クラウド上にECサイトの運営に必要なプラットフォームを保有しているサービスです。パッケージであれば、プラットフォームを自社で保管しますが、クラウドECはサービス提供会社が保有しています。クラウドECとパッケージの大きな違いは、プラットフォームを保有している場所です。
また、パッケージのように自社で保管するプラットフォームは、アップデートの必要性がでてきます。しかし、クラウドECは常に最新の状態に保たれているため、アップデートが必要ありません。

クラウドECの主なサービスは、以下の2つです。

メルカート

定期無料バージョンアップのため、常に最新のクラウドECが利用できます。マーケティング・サイト構築・CRMなど豊富な機能も魅力です。

公式サイト▶

メルカート

ebisumart

システムリニューアルの必要がないため、常に最新のソフトを利用できることが特徴です。POS・決済・基幹システムとの連携が標準機能でカスタマイズ費用を抑えられます。

公式サイト▶

ebisumart

クラウドECのメリット

クラウドECのメリットは、以下の3点です。

常に最新のバージョンを利用できる

クラウドECのメリットは、サービス提供会社のクラウド上にプラットフォームがあるため、最新のバージョンに保たれていることです。

サーバーなどの自社インフラがいらない

クラウドECのメリットは、サーバーなどの自社インフラが必要ないことです。自社サーバーにプラットフォームを保有するわけではないので、インフラを必要としません。パッケージに比べて費用を抑えられる理由です。

機能を追加するときに低コストで実現できる

クラウドECのメリットは、機能を追加するときに低コストで実現できることです。フルスクラッチ・パッケージであれば、すでに開発してしまった後に機能を追加するのは高額な費用が発生します。しかし、プラットフォームがクラウド上にあるため、フルスクラッチ・パッケージに比べるとコストを抑えられます。

クラウドECのデメリット

クラウドECのデメリットは、以下の2点です。

導入費用が高い

クラウドECは、フルスクラッチやパッケージに比べると費用を抑えられます。しかし、ASP・オープンソースと比較すると導入費用は高くなります。ECサイトの規模に合わせて構築方法を選択するのが良いでしょう。

ソースコードがわからない

クラウドECのデメリットは、ソースコードがわからないことです。他社のクラウド上にプラットフォームがあるため、利用されているソースコードを調べられません。そのため、自社で新たな機能を追加するなどといった、プラットフォームの改良を行えないのがデメリットとなります。

フルスクラッチ

最後に紹介する方法は、フルスクラッチについてです。フルスクラッチとは、ソースコードをゼロの状態から作り上げるシステムを指します。つまり、既存システムを一切使わずに、自社オリジナルのプラットフォームをゼロから作り上げる方法です。
自社オリジナルなので、デザイン・機能などはすべてにおいて自社の思い通りの設計ができます。このように、フルスクラッチは、ECサイトを構築する方法の中で最も自由度が高い方法です。そのため、既存のシステムは実現できなかった機能の追加や、今までなかった新しいビジネスモデルを確立するためにも役立つでしょう。他にも、自社のビジネスモデルに特化したプラットフォームを構築するためにも、フルスクラッチは有効です。

それでは、フルスクラッチのメリット・デメリットを紹介します。

フルスクラッチのメリット

フルスクラッチのメリットは以下の2点です。

自由自在に設計ができる

フルスクラッチのメリットは、自由自在にプラットフォームを設計できる点です。ゼロから作り上げられるため、必要な機能をすべて盛り込めます。既存のシステムでは、自社のビジネスモデルとの違いがあり、使いにくい部分があるかもしれません。そのような部分も自社の業務内容に合わせて開発ができます。

自社オリジナルのため、長期間使える

フルスクラッチのメリットは、自社オリジナルのため長期間使えることです。フルスクラッチは一度開発に成功すれば、自社の経営に大きく役立つ資産となります。クラウドECは自社の資産にならないばかりか、提供会社がサービスを終了すると、利用できなくなる恐れもあります。

フルスクラッチのデメリット

フルスクラッチのデメリットは以下の2点です。

高額な開発費用がかかる

フルスクラッチは、高額な開発費用がデメリットです。ECサイト構築サービスの中でも最も高額な費用が必要な方法で、1,000万円以上になることも珍しくありません。場合によっては、1億円を超えるような大規模な開発となることもあるでしょう。

構築できるまでに時間がかかる

フルスクラッチのデメリットは、ECサイトを構築できるまでに時間がかかることです。すべてをゼロから作り上げるために、開発期間がどの方法よりも必要となります。場合によっては1年以上を要する場合もあるでしょう。

まとめ

まとめ

ネットショップの開業を目指している方は、運営する規模に合わせてECサイトの構築サービスを利用しましょう。
ECサイト構築サービスは、以下の表のとおりです。

  • ASP
  • オープンソース
  • パッケージ
  • クラウドEC
  • フルスクラッチ

ECサイトの開業をこれから始めてみようという方には、ASP・オープンソースのように初期費用を抑えられる方法がおすすめです。小さな規模から始め、規模が大きくなり必要な機能も増えてきたら、より高機能のサービスを検討しましょう。

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