本記事では書道の流派や会派について詳しく解説していきます。それぞれの違いや特徴を理解するのに参考にしてみてください。
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そもそも流派や会派とは?
流派
ちなみに書道の流派は、平安時代に活躍した藤原行成・小野道風・藤原佐理がきっかけとなったと言われています。元々書道は書いて楽しむものでしたが、この3人が活躍した時代頃からは観て楽しむものとしても広まっていきました。この3人は後一条天皇に書跡を献上した記録も残っており、今の書道が完成したのはこの3人の功績によるところが大きいでしょう。
その後飛鳥時代にはさらに書道が広まりを見せ、鎌倉時代から室町時代頃に流派が確立されたという説があります。特に藤原行成の流れを継承した4つの流派は、室町時代に最も勢いのあった流派と言われています。
会派
たとえば、1946年に創設され現在日本全国に1万人前後の会員がいると言われている日本書芸院には「漢字会派」「かな会派」「篆刻(てんこく)会派」があります。漢字会派はさらに興朋会・墨滴会・雪心会・鯉水会など、かな会派は書道笹波会・一東会・正筆会などに枝分かれします。
このように会派の中でも枝分かれしていくものもありますが、大きく芸術系と教育系の会派に分けられます。これから書道を始めたいと考えている方は、まず会派を調べてどのような特徴があるのかを知るところから始めてみましょう。
書道の流派と特徴
以下では、世に名が知られている代表的な流派とその特徴を紹介します。
世尊寺流
流派の名前となっている世尊寺は藤原行成が大名親王の邸宅内に建立した寺のことで、子孫が代々暮らしてきました。 平安時代より藤原行成によって生まれた流派ですが、室町時代に世尊寺流最後の当主が亡くなったのと同時に、世尊寺流自体も途絶えてしまいました.世尊寺流はもう残っていない流派とはいえ、日本の書道の発展に大きく貢献した流派です。
尊円流
始祖である尊円法親王の名前をとって尊円流と呼ばれていましたが、室町時代に入ると書風が青蓮院の寺の住職たちに継承されたことで、青蓮流と呼び名が変化しています。 江戸時代以降は御家流と呼ばれるようになり、書風は後に尊朝流や有栖川流に受け継がれていきます。
法性寺流
持明院流
有栖川流
禅林墨跡
尊朝流
竹峰流
光悦流
書道の会派と特徴
公益社団法人日展
書道に関しても、日本の書だけでなく中国から伝来した文化を展示しているのが特徴です。通信講座や講義などはほとんど行われませんが、書道や美術を発展させるためのワークショップなども多数開催されています。鑑賞する書道の楽しみに力を入れている芸術系の会派です。
創玄書道会
現在でも書道の技術を磨くだけでなく、書道の楽しさを大切にしているのが特徴です。全国に創玄書道会の書道教室があり、老若男女問わず書道を楽しんでいます。
日本総合書道院
高野山で開催される競書大会にも毎年参加するなど会員が書道を通して社会と触れ合えるイベントにも力を入れており、楽しむだけでなく書道を通しての人との触れ合いやコミュニティの形成にも尽力しています。
日本習字教育財団
日本全国にある日本習字の書道教室は、お住まいのエリアでも見つけやすいでしょう。博物館や展覧会なども運営しており、日本習字の書に触れる機会は多くあります。
本書作家協会
多くの書道団体が大人向けに通信講座を行っている中、日本書作家協会では子ども向けの通信講座を開講。子どもを対象とした展覧会やイベントも多く開催しており、若手の育成に力を入れている団体です。
書道を始めるときは会派に注目してみよう
これから書道を始めたいと考えている方は書道の会派の方針に注目して、自分に合った会派を見つけましょう。展覧会などに足を運んで各会派の書風を実際に見てみるのもおすすめです。
そこで今回は書道を上達させるための秘訣を紹介します。書道が少しでも早く上達するように、コツを押さえて取り組んでみましょう。
書道上達のためにチェックしたい基本的なポイント
姿勢
練習を続けていくうちに体がねじれたり、猫背になったりしているかもしれません。都度、文字を書くたびに姿勢を確認する習慣をつけていれば、きれいな姿勢が身に付きやすいです。
また長時間練習していると、徐々に疲れが出て正しい姿勢を維持することが難しくなります。姿勢がすぐに崩れてしまう時は、疲れている証拠と思って休憩をするようにしましょう。書道は書き手の精神状態が文字に現れやすいのが面白い部分でもあり難しい部分です。疲れている時は一旦筆を止めて、次の日以降に再開してみるのも一つの手です。
筆の持ち方
力を入れる必要はありませんが、筆を優しく、立てるように持つことを意識しましょう。いつも使わない筆を長時間持つと指や手首が疲れてしまうこともあるはずです。その場合はストレッチをするなど、疲れがたまらないようにしておきましょう。また筆の持ち方を意識しすぎると筆跡にも影響が出やすいので、できるだけリラックスした状態で筆を持つことを心がけましょう。
服装
書道の師範が着るような作務衣などの本格的なものを着る必要はなく、普段の洋服で問題ないのですが、着ている服が動きやすいかどうかだけはしっかり意識しましょう。また動きやすいだけでなく、自分の気持ちが高められるような好きな服を選ぶと集中して書道に向き合えるのでおすすめです。
ただし書道初心者のうちは思わぬところに墨がついてしまうことも珍しくありません。最初は汚れが目立たないような服を選ぶことも大切です。
書道がうまくなるためのコツ
お手本をしっかり見る
普段から書を見るときは細部まで見るような癖をつけておくと文字を書くときの感覚がつかめてきます。
お手本を指でなぞってみる
このとき「自分は上手に書ける」と考えながら行うことが大切です。スポーツなどでイメージトレーニングの大切さはよく言われますが、書道でも同様で程よい緊張感を持って書道に挑むことができます。
「できなかったらどうしよう」「きっとうまく書けないだろう」などと思わず、脳内で自分の理想の字をイメージしながらなぞってみてください。
何枚か書いてみる
実際に書いてみると思い通りに書けないところや、逆に理想通りにかけた場所が出てくるはずです。一度書いたらどこを改善・意識するべきか考え、そこを意識してもう一度書く、ということを繰り返してみましょう。
お手本を筆でなぞる
常に安定してきれいな字を書くためには、体が各文字の筆運びを覚える必要があります。納得行く形が書けるようになるまで何度もなぞってみて、体にリズムを叩き込みましょう。
迷わずに書く
清書すると決めたら「これが最後の一枚」という気持ちで、精神を集中させて書き切ります。おそらく書き切った後に「形が悪い」とか「思うようにはらえなかった」などと感じてしまうこともあるはずですが、その反省を次に生かしていくことで書道は上達していきます。
書道を上達させるために取り入れたい練習
理想通りに線が書けるように練習する
かすれやにじみは筆や墨、紙の種類によっても変わってきますが、今ある道具でひたすら線を書いてみましょう。繰り返し線を書くことで、自分の道具を使った場合にどう筆に力を入れるか、感覚をつかみやすくなるはずです。
パーツに分けて練習する
書道を上達させるために今日から取り入れたいこと