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越境ECとは?越境ECを始める前に抑えておきたいポイントをご紹介

ECサイトを運営されている方の中には、中国・アメリカ・欧州などの市場に魅力を感じて、越境ECに挑戦したい方も少なくないでしょう。

様々な決済手段やECサイト構築サービスの登場により、多言語・複数の通貨への対応が以前よりも容易になりました。しかし、越境ECは安易に始めてしまうと「商標問題」「為替リスク」「高額な配送料」などで、思わぬトラブルを招いてしまうこともあります。
トラブルを予防するためにも、越境ECを運営するうえで抑えておくべきポイントについて紹介します。

越境ECとは?

越境ECとは、国境を越えて商品・サービスを販売するECサイトのことです。つまり、日本から世界に向けて展開しているECサイトを越境ECと呼びます。今日のインターネットが普及したグローバル社会では、世界中のECサイト運営者が越境ECで販路の拡大につなげています。また、越境ECと似た言葉がクロスボーダーECです。

「越境EC」と「クロスボーダーEC」の違いは、対応する国の数です。越境ECは1つの国・知識に対して展開するECのことで、クロスボーダーECは複数の国・地域に対して展開するECサイトのことを指します。越境ECを発展させるとクロスボーダーECになるため、初めて海外への進出を考えている方は越境ECから挑戦してみるのが良いでしょう。

越境ECが注目されている理由

越境ECが注目されている理由

多くの企業・個人が越境ECに注目するのは、3つの理由のためです。

コストが安く済む

海外へ進出する方法として実店舗を現地にオープンさせる方法もあります。しかし、テナントの確保や人材の確保など様々な費用が必要です。越境ECであれば数万円から数十万円で開業することも可能なため、コストを抑えて海外進出できるのが魅力です。

販路の拡大

越境ECであれば、中国・アメリカ・ヨーロッパの市場に簡単に進出できます。新たな市場に進出することで、販路拡大につながり新規顧客の獲得に役立ちます。

スマホの普及

スマホは購入しやすい価格になったこともあり、海外でもユーザーが増えています。また、インターネットの回線速度の上昇やWi-Fiの普及などによりネット環境も整備されています。これらにより海外でも国内と同様に、スマホで手軽にネットショッピングが楽しめるようになりました。越境ECは、そのような海外のスマホユーザーをターゲットにできるのも魅力です。

越境ECのメリット・デメリット

越境ECにチャレンジする際には、メリット・デメリットを十分に把握しましょう。とくにデメリットが重要で、トラブルを未然に防ぐためにはデメリットへの対策が必要になるためです。
越境ECのメリット・デメリットを以下の表にまとめました。

メリット デメリット
・販路を拡大できる
・費用を抑えて海外へ出店できる
・競合サイトが少なくなる
・多言語への対応が必要になる
・国・地域により決済方法に違いがある
・配送料や関税がかかる
・為替変動リスクがある
・関税や各国の法律に関する知識が必要になる

上記のように複数のデメリットがあるため、越境ECへ参入するハードルが高いと感じるかもしれません。
しかし、越境ECには販路拡大などで売上を伸ばせる魅力もあります。適切な対策を施すことで、メリットがデメリットを上回るでしょう。

越境ECの市場規模

越境ECの魅力は市場規模にあります。
経済産業省が2020年に発表した「電子商取引に関する市場調査」によると、アメリカに対して国内の越境ECの市場規模は9,034億円で前年比9.7%増、中国においては1兆6,558億円で前年比7.9%増でした。

参考:経済産業省「電子商取引に関する市場調査」
https://www.meti.go.jp/press/2020/07/20200722003/20200722003-1.pdf

国内のBtoCのEC市場規模は19兆3,609億円であることから、2つの主要国を合わせると国内の市場規模の10%以上にもなります。2023年には世界のEC市場規模が6兆USドルを超えると予測されているように、EC市場規模は国内・海外において右肩上がりに増えるでしょう。

また、経済産業省の同報告書では、各国に対する越境ECの市場規模も紹介しています。2019年の各国に対する越境ECの市場規模は以下の通りです。

BtoC EC市場規模 単位:億USドル
中国 19,348
アメリカ 5,869
イギリス 1,419
ドイツ 819
フランス 694
ロシア 269
インドネシア 210
タイ 50
ベトナム 50
UAE 2

国内の越境ECで大きな市場を占めているのは中国・アメリカであることがわかります。進出先を決める際の判断材料にしてください。

越境ECを始めるために確認しておくべきこと

越境ECを始めるために確認しておくべきこと

始めに越境ECで確認するべきことは、進出する国・地域におけるニーズです。越境ECは、国内で人気の商品を紹介すれば売れるわけではありません。現地に需要のない商品・サービスは売れませんので、ニーズを探るための市場調査が必要です。

また、越境ECでは配送料や関税によるコストが発生します。そのため、国内でお得な商品であっても、海外で販売する際にはお得ではないこともあります。販売価格は売れ行きに重要な影響を及ぼすため、配送料や関税にかかるコストは算出しておきましょう。

どのような商品を取り扱えば良いか悩む場合は、「現地で人気のある日本の商品」「現地で入手が難しい商品」をポイントに選定するのがおすすめです。越境ECの強みを生かしやすくなるでしょう。
越境ECを始めるには、「法律や規則」「出店方法」も確認するべきポイントです。以下よりそれぞれについて詳しく解説します。

法律や規制

越境ECを始める際に必ず確認するべき点は、現地の法律や規制についてです。
中国を対象にした越境ECを運営する際には、同国の法律である「中華人民共和国電子商務法」を遵守する必要があります。また、中国でECサイトを運営するためには、「ICPライセンス」が必要です。さらには、「中国サイバーセキュリティ法」などネットに関連する法律も存在します。これらの法律や規則に違反すると、運営停止の処分や罰金が科せられるでしょう。

中国以外も同様で、国・地域によって法律や規則が異なります。日本と同じと考えないようにしてください。
商品によっては、販売どころか輸出入が禁止されている場合もあります。例えば、中国では古着の輸入が禁止されているといった具合です。各国の税関では、ホームページに輸出入の許可リストを公開しています。越境ECを運営する前に、商品の輸出入・販売が禁止されていないかも必ず確認してください。

出店方法

越境ECを始めるために確認しておくべきことは、出店方法についてです。越境ECには、以下の3つの出店方法がありますので、進出する国・地域に適した方法を選択しましょう。

自社ECサイトを構築する

まずは、自社ECサイトを構築して進出する方法です。多言語・複数の通貨への対応など、越境ECで必要な機能を拡張するためには、越境ECに対応したECサイト構築サービスを利用すると良いでしょう。

越境ECに対応している国内モールに出店する

次に、越境ECに対応している国内のモールに出店する方法です。例えば、Yahoo!ショッピングが越境ECに対応しています。不安があれば国内の運営スタッフに確認できるため、日本語で応対してくれるのが安心して参入できるポイントです。

海外モールに出店する

最後に現地で人気のモールに出店する方法です。海外企業の出店が可能なモールであれば、国内からでも出店ができます。現地で人気のモールに出店することで、現地のユーザーを獲得しやすいのが特徴です。

越境ECを成功させるポイント

越境ECで成功するためのポイントは以下の3つです。

現地のニーズを把握する

国内でどれだけ人気のある商品であっても、現地にニーズがなければ売れません。成功するためには現地のニーズを把握することがかかせません。どのような商品が人気なのか、どのような価格帯が購入されやすいのか、日本のブランド・イメージを生かせる商品があるのかなどを確認しましょう。

現地で受け入れられる決済方法を導入する

国によって主に利用されている決済方法が異なります。例えば、クレジットカード払いが主要な国もあれば、現地独自の決済方法が利用されることもあります。現地で受け入れられている決済方法を導入することが、越境ECで成功するためのポイントです。

プロモーションの戦略を練る

国内のECサイトを現地の言葉に翻訳しただけでは、ユーザーが購入してくれるとは限りません。どのようにプロモーションをするかが重要になります。国内で越境ECに強い広告会社か、現地の広告会社を利用すると良いでしょう。

越境ECを行う際の注意点と解決策

越境ECを運営する際は、国・地域によって商習慣が違うため、日本の常識が通じないことを理解する必要があります。国内で運営しているように越境ECを運営すると、思わぬトラブルに巻き込まれることもあるでしょう。
越境ECを運営するには、以下の4つの点に注意してください。

  • ・関税などの取引規制
  • ・言語の違い
  • ・決済方法・為替変動
  • ・商標に関するトラブル

これらの注意点では、コストが増えるケースや、訴訟にまで発展するトラブルもあります。事前にしっかりとした対策を施しておくことが、トラブルを避けるためには重要です。
そこで、4つの注意点についての詳細と解決策について紹介します。越境ECをスムーズに運営するためにも、参考にしてみてください。

関税などの取引規制

国際輸送をする際には、商品の種類ごとに多種多様な手続きがあります。また、対象となる国・地域によっては取引規制があることや、条約により輸出が禁止されている場合もあります。これらを把握せずに輸出しようとすると、輸出できずに返品となるケースもあるため注意が必要です。

また、通関時には中身をチェックするために梱包を開けることもありますので、開封された状態で返品されてしまう可能性もあります。

関税などの取引規制に対する解決策

関税や通関の手続きは複雑に感じるかもしれませんが、慣れてしまえば問題なく行えるはずです。まずは、財務省関税局のホームページより該当商品のHSコードを確認してください。

参考:財務省関税局「輸出統計品目表」

https://www.customs.go.jp/yusyutu/2022_01_01/index.htm

HSコードに対応した通関方法を1つずつ覚えることで、取扱商品を輸出できるようになります。また、国内の手続き方法だけではなく、輸出先の条例や法律などを定期的にチェックすることも忘れずにしましょう。

言語の違い

越境ECを運営するうえで問題に感じやすいのは言語への対応でしょう。中国語・英語など多言語を使いこなせる人材確保は容易ではありません。英語であれば理解できる方もいるかもしれませんが、中国語やそれ以外の言語となるとますます困難になります。

そこで、日本語しか理解できなくても、Google翻訳機能で現地の言葉に翻訳することが可能です。しかし、自動翻訳機能では翻訳ミスや意味不明な文章になることが問題になります。

言語の違いの解決策

商品を訴求する商品ページが翻訳ミスや意味不明な文章では、コンバージョンにつながりません。そこで、商品ページなどの重要なページには、翻訳代行サービスを利用することも1つの方法です。重要性の低いものに対しては自動翻訳機能、高いものに対しては翻訳代行サービスと使い分けることでコストを抑えられるでしょう。

決済方法・為替変動

越境ECを行う際の注意点としては、国によって主に利用される決済方法が異なることや、為替変動によるリスクがあることです。

中国で越境ECをするのであれば、アリペイなどの決済方法が有効です。キャッシュレス決済が盛んに行われる一方で、代金引換も人気があります。一方で、アメリカであればペイパルが人気の決済方法です。クレジットカード以外にも、このような現地で人気の決済方法を導入することで、かご落ちを防止できるでしょう。
決済時に問題となるのは為替変動リスクです。外国通貨で販売すると為替変動により大きく儲かったり、まったく儲からなくなったりとリスクが伴うためです。

決済方法・為替変動の解決策

現地で受け入れられている決済方法を導入することが1つ目の解決策です。また、為替変動のリスクを抑えるためには、販売価格を円表示にする方法があります。ユーザーに円の為替相場に合わせて支払ってもらうことで、店舗側は為替変動による影響を受けにくくなります。

商標に関するトラブル

商標に関するトラブルは、訴訟に発展するなど重大な結果になることもあるため注意が必要です。日本では商標をあまり意識せずに販売しているかもしれません。しかし、海外では商標を意識せずに販売すると思わぬトラブルにつながります。
例えば、中国では日本の地名である「今治」が商標登録されたことで問題となりました。また、国内のブランド名である「無印良品」も中国では他社により商標登録されている状況です。つまり、自社のブランド名であっても商標を取られてしまうこともあるのです。

このように、海外では商標登録によるトラブルが後を絶ちません。越境ECを運営する際には、他社の商標を使わないことも大切ですが、自社のブランドを守ることも必要になります。

商標に関する解決策

商標に関するトラブルは非常にシビアな問題になります。大企業のアップルであっても中国で「iPhone」の商標独占に失敗したほどです。防衛策としては自社ブランドの商標登録を先送りせずに、越境ECを運営する前に申請すると良いでしょう。

まとめ

越境ECとは、国境を越えて商品を販売するECサイトのことです。越境ECでは、国内の商習慣が通らないこともありますので、進出する国の地域性などを十分に把握する必要があります。
国によって法律や規則が異なるため、関係法規に抵触しないように注意しなければなりません。とくに越境ECで注意が必要なのは、「関税などの取引規制」「言語の違い」「決済方法・為替変動」「商標に関するトラブル」です。

越境ECはデメリットもありますが、ビジネスチャンスが大きく売上アップも期待できます。そのため、トラブルを未然に防ぐためにも、越境ECを始める前から対応策を講じていきましょう。

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