しかし、ネットショップを始めるにあたって「ネットショップを開業するまでの手順が知りたい」「商品仕入れをどこからすれば良いのか」などの不安があることでしょう。
そこで、ネットショップ開業を目指す方のために、開業までの手順や商品仕入れ方法について詳しく紹介します。
Contents
個人でも開業できるネットショップ
また、多くの個人・企業がネットショップの運営に挑戦する理由は、ネットショップの市場規模が右肩上がりに増えているためです。2022年8月に経済産業省から公表されたデータによると、2021年の市場規模は20.7兆円でした。前年比で7.35%増と、まだまだ市場規模が拡大していることがわかります。
参考:経済産業省「電子商取引に関する市場調査の結果」
https://www.meti.go.jp/press/2022/08/20220812005/20220812005.html
このように、拡大する市場規模にビジネスチャンスを感じている方が多く、STORESでは毎月1万以上もの店舗がオープンしています。
ネットショップ開業までの手順
- 1.コンセプトを設定
- 2.ネットショップで販売する商品を選定
- 3.販売するネットショップを選定
- 4.ネットショップのデザインを選定
- 5.ネットショップの決済方法を設定
- 6.ネットショップの配送方法を設定
ネットショップの基本的な選定・設定になるため、これらができているかどうかは運営する上で重要なポイントです。スムーズに開業して成功するためにも、これらの選定・設定について理解を深めましょう。
①コンセプトを設定
コンセプトとは、事業を行うための概念や考え方のことで、基本的な方向性を示すために役立ちます。ネットショップで成功するためには、コンセプトの設定が重要なポイントです。
コンセプトがあることで、ネットショップのデザイン・機能・商品の選定など一貫した考え方のもとに取り組めるためです。コンセプトに沿って世界観が統一されているネットショップは、ユーザーから共感も得やすく競合サイトとの差別化につながるでしょう。
一方、コンセプトを設定しないままでも開業することはできます。しかし、様々な場面で考え方がブレてしまうため、「統一感のない」「世界観が感じられない」ネットショップに仕上がります。すると、ユーザーからの共感が得られず、思うような売り上げにつながらないでしょう。
ネットショップで成功するためにも、まずはコンセプトを検討することから始めてください。
②ネットショップで販売する商品を選定
ここで重要なポイントは、コンセプトに沿って販売する商品を選ぶことです。先に紹介したように、コンセプトは基本的な考え方になります。そのため、コンセプトにそぐわない商品は取り扱わないようにしましょう。
「利益率が高い」「流行りの商品で今なら売れそう」「自分が興味のある商品」などの理由から、コンセプト外の商品であってもついつい取り扱いたくなるかもしれません。しかし、店舗側の都合よりも、コンセプトのターゲット層にニーズのある商品を選定することが重要です。
ターゲット層にニーズがあるかどうかの判断は楽天市場のランキングや、SNSなどの情報を頼りに判断できます。また、どれだけニーズのある商品でも値崩れしている商品は、利益を確保するのが困難です。市場価格の調査も忘れずに行いましょう。
③販売するネットショップを選定
ネットショップの種類は、自社EC・モール型ECの2つです。その中でも、自社ECには無料ASP・有料ASP・オープンソース・パッケージEC・フルスクラッチなど、複数の種類があります。
初めてネットショップを開業する方におすすめの方法は、無料ASP・有料ASPのどちらかです。費用を抑えながら構築できるため、低リスクでチャレンジできるからです。
モール型ECを選ぶ場合は、「楽天市場」「Yahoo!ショッピング」「Amazon」のいずれかに出店することから検討すると良いでしょう。モール型ECは集客力の強さがメリットです。集客方法に自信のない方は、モール型ECから始めて、集客やネットショップ運営について学ぶのも良い方法です。
④ネットショップのデザインを選定
- ・ユーザーが見やすいか
- ・操作性に問題がないか
- ・ページ構造がわかりやすいか
- ・ユーザーにコンセプトが伝わるか
- ・スマホ・パソコンどちらにも対応できているか
モール型ECに出店する場合は、レイアウトやデザインなど、ある程度テンプレートで決まっています。そのため、デザイン性を追求するのに向いていません。ある程度の妥協が必要になるでしょう。
思い通りのデザインに仕上げたい方は、自社ECの運営がおすすめです。テンプレートを利用したり、独自にカスタマイズしたりすることで、イメージ通りのデザインに仕上げられるためです。しかし、テンプレートやデザインのカスタマイズは費用が発生しますので、予算オーバーにならないように注意してください。
⑤ネットショップの決済方法を設定
例えば、コンビニで支払いをしたいのに対応していなければ、他の支払い方法を選択するか、あきらめるしかありません。このようにユーザーが支払い方法によって、購入をあきらめることがないように複数の決済方法に対応するのが良いでしょう。
ここで、どの決済方法を選択すれば良いのか迷う方もいるかもしれません。1つの指標として、総務省が2021年に調査した「インターネットを使って商品を購入する際の決済手段」を紹介します。
この調査による支払い方法と利用している割合は以下の通りです。
支払い方法 | 利用している割合 |
クレジットカード払い | 75.0% |
コンビニ払い | 36.5% |
代金引換 | 24.6% |
銀行・郵便局での振込・振替 | 22.5% |
モバイルバンキングによる振込 | 16.7% |
参考:総務省「インターネットを使って商品を購入する際の決済手段」
https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/statistics/pdf/HR202000_001.pdf
これらの上位に占める決済方法を優先的に選ぶことで、より多くのユーザーのニーズに対応できるでしょう。
⑥ネットショップの配送方法を設定
ネットショップは直接ユーザーと接することはありませんが、配送業者はユーザーと直接かかわります。そのため、配送業者の行動やサービスが自社の印象に影響しかねませんので、サービスの行き届いた配送業者を選ぶと良いでしょう。例えば、日時指定の対応であったり、荷物を丁寧に扱ってくれたりといったことが重要になります。
また、配送業者の選定は送料などのコストにもかかわります。そのため、取り扱う予定の商品のサイズで料金比較すると良いでしょう。小さな商品を取り扱う場合には、メール便に対応できることも重要なポイントになります。
ネットショップの商品仕入れ方法
フリマアプリ・ネットオークション
ネットショップ卸業者
メーカー
まとめ
例えば、BASE・STORES・ShopifyなどのASPを利用することで、ネットショップを運営した経験やスキルがなくても簡単にネットショップを構築できるためです。そのため、STORESで毎月1万以上ものショップが開業しているように、多くの方がネットショップに参入しています。
未経験の方は、本記事で紹介した手順を踏むことでスムーズに開業できるでしょう。また、商品仕入れについては、「フリマ・ネットオークション」「ネットショップ専用卸業者」からスタートするのが取り掛かりやすくおすすめです。
ネットショップで一番利用されている決済手段とは
では、ネットショップで一番利用されている決済手段とは、何なのでしょうか?総務省が実施している通信利用動向調査によると、インターネットを使って商品を購入する際の決済手段として利用されているのは下記のとおりです。
決済手段 | 割合 |
クレジットカード払い(代金引換時の利用を除く) | 75.0% |
コンビニエンスストアでの支払い | 36.5% |
代金引換 | 24.6% |
銀行・郵便局の窓口・ATMでの振込・振替 | 22.5% |
インターネットバンキング・モバイルバンキングによる支払い | 16.7% |
通信料金・プロバイダ利用料金への上乗せによる支払い | 15.9% |
電子マネーによる支払い | 15.7% |
現金書留・為替・小切手による支払い | 0.7% |
その他 | 1.2% |
無回答 | 6.0% |
出典:情報通信統計データベース 通信利用動向調査(世帯編)報告書及び統計表一覧 「令和2年報告書」
https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/statistics/pdf/HR202000_001.pdf
上記の調査から、ネットショップで一番利用されている決済手段はクレジットカード払いであることがわかります。他にも、コンビニエンスストアでの支払いや代金引換なども多く利用されていますが、ネットショップを運営するのであれば、クレジットカード払いには対応しておく必要がありそうです。
それぞれの決済手段のメリット・デメリット
決済手段として利用されている方法は下記のとおりです。
- ・クレジットカード決済
- ・コンビニ決済
- ・後払い
- ・代金引換
- ・銀行振込
- ・キャリア決済
- ・スマートフォン決済サービス
それぞれの決済手段の特徴やメリット・デメリットを紹介します。
クレジットカード決済
クレジットカードを利用して買い物を済ませた後、クレジットカード会社から利用者に請求書が届きます。
利用者はクレジットカード会社に請求額を支払い、クレジットカード会社がネットショップに購入金額を支払います。
クレジットカード決済では、購入画面にカード情報を入力するだけで手軽に決済でき、登録されたクレジットカード情報は、次回以降の買い物にも適用可能です。
クレジットカード決済のメリット
また、代金が未回収になるのを防げる他、注文と同時に決済が完了するため、すぐに商品の発送準備に移れるのもメリットといえます。
クレジットカード決済のデメリット
審査に通過して初めてクレジットカード決済を導入できるようになります。ショップや取り扱うサービスによっては、審査が完了するまでに1カ月以上掛かるケースもあり、事前の準備が大切です。
もちろん、審査に通過できなければクレジットカード決済は導入できません。
またクレジットカードが不正利用されると、トラブルに巻き込まれる可能性があるのもデメリットです。
そのため、クレジットカード決済を導入する場合は、ネットショップのセキュリティ対策を万全にする必要があります。
常時SSL化や本人認証が可能な3Dセキュアなどの安全対策も導入する必要性を理解しておきましょう。
コンビニ決済
払込用番号タイプは、ネットショップやメールなどに表示された決済に必要な番号を、コンビニエンスストアのレジで伝えるか、専用端末で払込票を発券して支払う方法です。
ほとんどのコンビニエンスストアで決済に対応しており、24時間いつでも支払いができるのが、コンビニ決済の大きな特徴といえます。
コンビニ決済のメリット
ショップ側は購入者の入金を数分後から1時間程度の間に確認できるため、スムーズに発送準備に取り掛かれます。
また、入金後に商品を発送する前払い式の場合は、商品代金の未回収を避けられるのもメリットです。
さらにコンビニエンスストアは店舗数が多く、24時間いつでも支払いができることや、公共料金などの支払いと同じ感覚で利用できるのもポイントです。
購入者にとってハードルが低く、誰でも利用可能なため、選ばれやすい決済方法といえるでしょう。
コンビニ決済のデメリット
ショップ側の負担が大きく、場合によっては機会損失につながるケースもあるでしょう。
また後払い式では商品代金が回収できないケースがあるため、注意が必要です。
都市部ではコンビニエンスストアはたくさんありますが、コンビニエンスストアが少ない地域では利便性の高い支払方法とはいえないというデメリットもあります。
後払い
後払い決済事業者が商品代金を建て替え、のちに購入者に請求して回収する仕組みです。
支払いはコンビニエンスストアや郵便局などで行えます。
後払い決済のメリット
また後払いでの請求書の発行や送付、入金確認などは後払い決済事業者が行うため、ショップ側の事務処理の負担を軽減できるのもメリットです。
購入者側からすると、商品を確認してから料金を支払うため、実店舗での買い物に似た感覚でネットショップを利用できるのがメリットです。
後払い決済のデメリット
また購入者が支払いそのものを忘れてしまったり、あえて支払いをしなかったりする可能性があります。
商品代金を回収できないケースもあるため、注意が必要です。
万が一未払いが発生した場合は、督促などの手続きに手間が掛かる上、キャンセル処理が必要になることもあります。
未払いリスクを回避するために、かえってコスト負担が増えてしまう可能性もあります。
代金引換
代引きと省略して呼ばれることもあり、利用者も多い馴染みのある決済方法の1つです。
代金引換のメリット
商品代金の未払いリスクが低い決済方法であるため、導入しておきたい決済方法の1つといえるでしょう。
また商品の代金は支払ったのに、商品がなかなか届かないなど、購入者側の不安を軽減できるのも代金引換のメリットといえます。
代金引換のデメリット
商品の受け渡しが完了しない限り、商品代金は回収できませんし、万が一返却される場合は往復の送料や代引き手数料を負担しなければならないケースもあります。
銀行振込
ショップ側は口座への入金が確認できた後に、商品の発送準備に取り掛かります。
銀行振込のメリット
振込手数料は購入者の負担となるため、ネットショップが負担する手数料コストが発生することもありません。
誰が入金したのかをはっきり特定できるので、高額な商品やサービスの決済に向いている方法でもあります。
銀行振込のデメリット
インターネットバンキングを利用していない購入者は、銀行・郵便局に訪れて手続きを行わなければならないため、購入してから支払いまでに時間が空いてしまいやすいという欠点もあります。
また購入者が振込手数料を負担するため、決済方法を見て購入を敬遠されたり、結局入金されなかったりすることもあるため、注意が必要です。
ネットショップに銀行振込の決済方法を導入する場合に時間が掛かる、入金の消込処理に手間が掛かるといったケースが考えられるのも、銀行振込のデメリットといえます。
キャリア決済
購入者は、携帯電話料金と合わせて商品代金を支払うことができます。
キャリア決済のメリット
携帯電話を保有しており、あらかじめ使用できるよう設定さえしてあれば、誰でも利用できる決済方法というのもメリットです。今やほとんどの人が携帯電話を保有する時代なので、機会損失を防ぐことができるでしょう。
クレジットカードを持っていない人でも利用できるため、より多くの人にとって利用しやすい決済方法といえます。
キャリア決済のデメリット
ネットショップで扱う商品やサービスの内容を考慮して、導入の是非を検討する必要があるでしょう。
スマートフォン決済サービス
現在、提供されているスマートフォン決済サービスにはさまざまな種類があり、代表的なものには下記のような選択肢があります。
- ・PayPay
- ・LINEpay
- ・ApplePay など
参考:PayPay「スマホひとつでかんたんにお支払いはPayPayで」
https://paypay.ne.jp/
(2022-03-28)
参考:LINEpay「スマホのおサイフサービスLINE Pay」
https://pay.line.me/portal/jp/main
(2022-03-28)
参考:Apple「ApplePay」
https://www.apple.com/jp/apple-pay/
(2022-03-28)
スマートフォン決済サービスのメリット
さらに、スマートフォン決済サービスの認知度が高いことから、幅広い客層に対応しやすいのも魅力でしょう。
スマートフォン決済サービスのデメリット
さまざまな決済サービスがあるため、複数のサービスに対応するためには、それだけ多くの審査を受けなければならず、決済サービス利用の土台が整うまでに1カ月以上掛かることもあります。
また、決済用端末は数万円することもある上、決済のテスト運用も必要になるため、導入にはそれなりの時間とコストが掛かる点を理解しておく必要があるでしょう。
まとめ
クレジットカード決済を始め、ネットショップではさまざまな決済方法が利用されています。ネットショップを始める場合は、利用者のニーズに合わせて適切な決済方法の導入を検討することが重要です。
本記事を参考に、どのような決済方法を導入するのがいいのか、考えてみてはいかがでしょうか。