現在国内向けのネットショップを開業している方のなかにも、海外をターゲットにしたネットショップ開業に興味を持っている方は多いのではないでしょうか。
そこで今回は、海外向けのネットショップの開業を検討している方が知っておきたいメリット&デメリットを紹介します。開業する方法や開業するために必要な準備も紹介しますので、検討している方や興味を持っている方はぜひご覧ください。
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海外向けネットショップの市場
ちなみに中国の越境EC市場規模は日本からの購入額が2兆1,382億円、アメリカからの購入額が2兆5,783億円で、合計4兆7,165億円となっています。アメリカの越境EC市場規模は日本からの購入額が1兆2,224億円、中国からの購入額が8,185億円で、合計2兆409億円です。
国内の市場規模や中国・アメリカの越境EC市場規模と比較するとまだまだ日本の越境EC市場規模は小さいですが、令和3年度は前年比で9.10%成長しています。令和2年度の伸び率は7.6%(*2)でしたから、今後も市場規模は大きくなっていくと予想できるでしょう。
中国やアメリカは日本と比べて圧倒的に人口も多い上、日本製品の質の良さへの認知度も高いです。外国人からのニーズの高い商品や海外では希少な商品、すでに国内である程度売上がある商品などは、海外向けネットショップで販売することで、さらなるビジネスチャンスを獲得できる可能性が十分にあります。
*1出典:経済産業省「令和3年度 電子商取引に関する市場調査 報告書」
https://www.meti.go.jp/press/2022/08/20220812005/20220812005-h.pdf
P5, 10(2022-12-19)
*2出典:経済産業省「令和2年度 電子商取引に関する市場調査 報告書」
https://www.meti.go.jp/policy/it_policy/statistics/outlook/210730_new_hokokusho.pdf
P11(2022-12-19)
海外向けネットショップ開業のメリット
開業するとどのようなメリットがあるのでしょうか。4つのメリットを紹介します。
販路の拡大につながる
少子高齢化の日本において、国内だけで販路を拡大しようとしても限界があります。しかし、日本よりも人口が多い海外向けにネットショップを解説すれば、より多くの人をターゲットとして商品を販売できるのです。ニーズに合わせたマーケティングを行えば、大きく売り上げを伸ばせる可能性があります。
*3出典:国連人口基金 駐日事務所「世界人口白書2022」
https://tokyo.unfpa.org/ja/SWOP2022#4
(2022-12-19)
*4出典:外務省「中華人民共和国基礎データ」
https://www.mofa.go.jp/mofaj/area/china/data.html
(2022-7-4)
*5出典:外務省「アメリカ合衆国基礎データ」
https://www.mofa.go.jp/mofaj/area/usa/data.html
(2022-6-8)
新たな顧客が増える
またショップのアカウントを作ってSNSを積極的に活用すれば、莫大な広告費をかけることなく、顧客と接点を作りながらネットショップを運営できます。ハンドメイド作品など個人が趣味として作っているような商品でも、海外にファンを作ることができるでしょう。
国内では需要が少ない商品も人気が出る可能性がある
その点海外向けネットショップなら、消費者は自国にいながら日本の商品を購入できます。これまで気軽に購入できなかった商品がインターネットを介して簡単に海外から購入できるようになれば、爆発的に売上が伸びる可能性もあるでしょう。日本人の感覚では「売れないだろう」と思われてしまうような商品が、案外人気商品になるかもしれません。
実店舗の海外出店よりもコストがかからない
しかし、海外向けネットショップなら、そういったコストは必要ありません。もちろんネットショップを開業して運営するにはある程度コストがかかりますが、実店舗を出店することと比較すれば、大きくコストを抑えられます。
海外向けネットショップ開業のデメリット
送料などのコストがかさむ
すでに国内向けネットショップを開業している場合でも、言語や通貨に対応させるためのアップデート費用やマーケティング費用などもかかってくることも理解しておきましょう。
文化やマナーの違いがある
また、日本とは異なるトレンドやニーズがあるため、現地の最新情報のリサーチも徹底する必要があるでしょう。
長距離輸送のリスクがある
長距離輸送のリスクを考え、壊れやすい商品を販売しない、梱包を厳重に行う、破損・紛失の補償がある保険に加入するなどを検討しなければならないでしょう。トラブルを避けるためにも、破損や紛失が起きてしまった場合の対応を決めて明示しておく必要があります。
越境トラブルの可能性がある
その内容は、配送に関するトラブル、契約条項に関するトラブル、商品・サービスに関するトラブルなど多岐に渡ります。この調査は海外事業者と日本の消費者間で起きたものですが、日本の事業者が海外消費者を相手に取引を行った場合も、同じようなトラブルが起きる可能性は十分に考えられるでしょう。海外の消費者とトラブルが起きた場合、国内の消費者との間に発生したトラブルを解決するより、手間や時間がかかってしまいます。
*6出典:経済産業省「越境トラブルの概要」
https://www.meti.go.jp/policy/it_policy/ec/cbec/cbec_images/crossborderec_sankou3.pdf
(2022-12-19)
海外向けネットショップの開業方法
では、海外向けのネットショップを開業するには、どのような方法があるのでしょうか。2つの方法を紹介しますので、自分たちに合った方法を検討してみてください。
海外モールへ出店する
認知度が高い大手海外モールは、毎日何百万人という人がアクセスするため、集客にそれほど手間やコストをかける必要がありません。出品してすぐに商品が売れることもあります。
ただし、自社で独立したネットショップを作るよりは出店コストがかかる場合が多い他、商品が売れた場合にモール側へ支払う手数料も高くなります。海外モールへの出店を考える際は、ターゲットとする国を決めた上で出店する海外モールを決め、ルールやコストなどを調べてみましょう。
海外対応可能なネットショップを作成する
独立したネットショップは海外モールよりも利益率が高くなることや、ブランディングがしっかりできることが特徴です。しかし、認知してもらうためには、しっかりと集客対策をしなければなりません。
海外対応可能なネットショップは、サービスによって機能が異なるため、利用する場合は機能を比較して使いやすいものを選びましょう。
海外向けネットショップを開業するために準備しなければならないこと
多言語化
海外モールやネットショップ作成サービスには、自動翻訳ができる機能がついているものもありますが、どの範囲まで翻訳してくれるかはモールやサービスによって異なります。また、自動翻訳で不自然な翻訳になってしまうと、ショップへの信頼度が下がってしまい、購入意欲が失われてしまう可能性が高いです。
日本語以外の言語での問い合わせに対しても、相手の言語で対応できるようにしておきましょう。せっかく購入意欲を持ってもらえても、十分な対応ができないと購入機会を逃してしまいかねません。購入後にクレームなどの問い合わせがあった場合も、きちんと対応できなければ満足度が下がってしまい、せっかく獲得した顧客が離れてしまうこともあるでしょう。
禁輸品目や関連法など販売する国のルールの理解
禁輸品目や関連法など、ターゲットとする国のルールを理解しておかなければ、没収されたり罰金が科せられたりすることもあるので、十分に注意してください。
海外で利用できる決済手段
ターゲットとする国でどのような決済手段が一般的なのかをリサーチして導入すれば、スムーズな取引ができ、販売機会を損なわずに済むでしょう。
海外への発送手段
日本郵便以外にはDHLやFedExなどもあります。配送にかかる日数や料金を調べ、最適なサービスを決め、それに従って送料も設定しておかなければなりません。消費者側がニーズや予算に合わせて選べるよう、いくつかの選択肢を用意しておくのもおすすめです。
同時に、購入者が海外の住所や電話番号を入力できるよう、入力フォーマットを変更することも忘れないようにしてください。
まとめ
せっかく開業して商品に興味を持ってもらっても、海外の消費者がスムーズに購入できない仕組みになっていると、チャンスを逃してしまいます。海外向けのネットショップ開業で新たなビジネスチャンスを作るためにも、ターゲットとする国をしっかりリサーチし、消費者にとって利便性が高いショップを運営しましょう。
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