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Eコマースの意味とは?
Electric Commerce(エレクトリック・コマース)という言葉に由来する造語で、日本語では電子商取引を意味します。また、Eコマースを省略してECと表記したり、呼んだりすることもあり、ネットショップのことをECショップやECサイトと呼ぶこともあります。
Eコマースが始まったのは1990年代中盤
その後、1997年に楽天市場が、2000年にはAmazonの日本語サイトがオープンして、現在のEコマース市場の礎を作ることになります。現在では単純な商品の売買だけではなく、飲食店・旅行・美容院などの予約や保険商品への申し込み、イベントなどのチケットの購入など、さまざまなサービスがインターネット上で行われるようになっています。
Eコマースの市場規模とは
一方で、巣ごもり需要があったことから物販系分野は前年比約21.7%増、デジタル分野の約14.9%増と、それぞれBtoC-EC市場規模が伸長している状況です。また、商取引のEC化率※はBtoC-ECで8.08%(前年比1.32ポイント増)、BtoB-ECで33.5%(前年比1.8ポイント増)と増加傾向にあり、商取引の電子化が継続して進んでいるといえるでしょう。
※EC化率とは、全ての商取引金額(商取引市場規模)に対する電子商取引市場規模の割合を指す。
※EC化率の算出対象は、BtoC-ECでは物販系分野とし、BtoB-ECでは業種分類上その他以外とされた業種とする。
出典:経済産業省「電子商取引に関する市場調査の結果を取りまとめました」
参照:
https://www.meti.go.jp/press/2021/07/20210730010/20210730010.html
スマートフォンを経由したEコマースの利用が増加している
既出の経済産業省の調査によれば、物販分野におけるスマートフォン経由のBtoC-ECの市場規模は約6兆2,269億円と推計されており、物販のBtoC-EC全体の市場規模の約半分に相当しています。また、直近5年のスマートフォン経由での電子商取引のデータを見ると、スマートフォンを利用する比率や市場規模は右肩上がりになっており、スマートフォンを利用する比率は5年で約2倍に、市場規模は約3倍になっているのが現状です。
出典:情報通信統計データベース 統計調査データ 通信利用動向調査「令和2年調査」
参照:
https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/statistics/statistics05a.html
出典:経済産業省「電子商取引に関する市場調査の結果を取りまとめました」
参照:
https://www.meti.go.jp/press/2021/07/20210730010/20210730010.html
Eコマースのメリットとデメリットについて
売り手側のEコマースのメリット
- ・ショップの運営に地理的な制限がない
- ・顧客の増加が見込める
- ・実店舗で必要なコストが掛からない
- ・売上データを活用しやすい
- ・動画などを利用して商品を説明できる
ショップの運営に地理的な制限がない
顧客の増加が見込める
実店舗で必要なコストが掛からない
売上データを活用しやすい
動画などを利用して商品を説明できる
このように、Eコマースではさまざまな方法で商品の魅力を伝えられるようになっています。
買い手側のEコマースのメリット
- ・いつでもどこでも買い物ができる
- ・低価格な商品が多い
- ・自分好みの店舗・商品を探しやすい
いつでもどこでも買い物ができる
住んでいる地域や時間、日程などにかかわらず、いつでもインターネットを通じて買い物ができます。
また、商品の比較や購入、決済、配送までインターネット上で完結できるので、効率的な買い物が可能です。
低価格な商品が多い
Eコマースは実店舗の運営と比較してコストや人件費を抑えられるため、商品の価格を低く設定できます。
そのため買い手は、購入したいものを取り扱っているEコマースを比較して、安く購入できるところを探すといった行動が可能です。
自分好みの店舗・商品を探しやすい
買い物の時間を制約されることなく商品を検索できたり、気に入った商品を登録したりできます。また商品を絞り込んで探すことも可能です。
実際の店舗を訪問することと比べて、スマートフォンやパソコンで自分好みの店舗や商品を探しやすいのは、Eコマースならではの魅力でしょう。
売り手側のEコマースのデメリット
- ・競合が多い
- ・価格競争になりやすい
- ・知名度が低ければユーザーに発見されない
競合が多い
価格競争になりやすい
買い手はECサイトやWebサービスなどを利用すれば、商品を安く販売している店舗をすぐに調べられるようになっており、中には最も安い店舗を探して購入するケースもあります。そのため、Eコマースでは競合店との価格競争になりやすいといえるでしょう。
売上のために価格を下げ合いになった場合、利益を残すのが難しくなるのがEコマースの難点となっています。
知名度が低ければユーザーに発見されない
Eコマースで安定して売上を上げるためには、売り手の商品やECサイトを知ってもらう必要があり、集客のためのマーケティングなどを学ぶ必要があるでしょう。
買い手側のEコマースのデメリット
- ・商品がすぐに手に入らない
- ・商品を手に取れない
- ・送料が掛かる
商品がすぐに手に入らない
どれだけ早くても翌日以降にしか商品を受け取ることができないため、どうしてもすぐに商品が欲しい場合は実店舗で購入される可能性が高くなります。
また生鮮食品など日持ちしないものは、Eコマースで買い手の手元に届いてからの日持ちがさらに短くなってしまうため、不向きといえるでしょう。
商品を手に取れない
特に洋服や靴などは、実店舗ならばサイズを確認して購入することができますが、ECサイトではそれができません。そのため、サイズごとの寸法を表記したり、サイズが合わない場合に買い手が返品しやすいようにしたりして、ユーザーが商品の購入をためらわないような工夫が必要になります。
送料が掛かる
商品の配送には配送料金が掛かり、送料無料となっていても商品代金に上乗せされるケースが多いです。
商品が大きいほど、配送料も高くなることもあり、すべての店舗が送料無料となることは現実的にあり得ません。Eコマースを利用する際は、原則送料が掛かると考えておいた方がよいでしょう。
Eコマースの種類について解説
- ・モール型Eコマース
- ・自社Eコマース
それぞれの詳細は、以下の通りです。
モール型Eコマース
モール型Eコマースとしては、楽天市場やAmazon、YAHOO!ショッピングなどが有名です。モール型Eコマースは認知度が高く、サービス環境が整っているため、規模の小さなECショップでも集客しやすいという特徴があります。
一方で、モール型Eコマースの利用には手数料やシステム利用料などを支払う必要があり、運営コストが増えやすい点には注意が必要です。
自社Eコマース
よく使用されるのは下記の5つの手法です。
- ・ショッピングカートASP
- ・ECパッケージ
- ・クラウドEC
- ・オープンソース
- ・フルスクラッチ
ショッピングカートASPは比較的簡単にECサイトの立ち上げができます。短期間でECサイトを立ち上げられる一方で、カスタマイズしにくい傾向にあります。ECパッケージなら、機能が充実した本格的なECサイトを作ることができます。ECサイト運用の基本を網羅でき、規模の大きなビジネスでも対応できます。一方で、ECサイト立ち上げにはそれなりの費用が掛かるのがデメリットです。クラウドECでは、各サイトでの共通プラットフォームがあり、常に最新の状態へアップグレードされます。加えて、ECサイトのカスタマイズできる部分も多いため、上記2つの手法の中間的なものと考えていいでしょう。
オープンソースは、すでに存在するサイトの設計図を利用してECサイトを立ち上げる方法です。オープンソースは無料で利用できる一方で、ECサイト構築に関する知識がないと利用するのは難しいでしょう。
フルスクラッチは、すでにあるサイトやソフトを使用せずにゼロからECサイトを構築する手法です。自由にECサイトを制作できるため、こだわりの強い方に向いている手法です。ただし、相当な知識と制作費が必要になるため、初心者には向いていません。
Eコマースの業務内容とは?
具体的な業務項目は下記のとおりです。
- ・サイト制作・改善
- ・集客対策
- ・販売促進の企画
- ・マーチャンダイジング業務
- ・商品情報の登録
- ・受発注管理
- ・問い合わせ対応
- ・総合管理
ECサイト制作・改善
集客対策
販売促進の企画
マーチャンダイジング業務
商品情報の登録
受発注管理
問い合わせ対応
総合管理
まとめ
Eコマースは売り手側・買い手側ともに利用が増加傾向にあり、今後もさらなる拡大が期待されています。企業にとっては、Eコマースを導入することで新しい販路が拡大できる可能性もあります。本記事を参考に、Eコマースについて理解を深め、導入を検討してみてはいかがでしょうか。